妊娠期に多く必要になる葉酸ですが、必要なのは妊娠期だけではありません。葉酸は体でさまざまな働きをしています。
普段はあまり気にしない葉酸ですが、摂取不足では肌荒れや貧血の症状が現れることがあります。
そんな体に重要な葉酸と女性が一番気になる肌荒れとの関係、その他の起こりうる病気、肌荒れに関係する栄養素、葉酸を効率良く摂る方法など詳しく紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
記事の目次
葉酸を摂取すれば肌あれも解消する!?
葉酸は細胞分裂を助けて肌の新陳代謝を活性化する
葉酸の大きな働きは、細胞分裂に関わるということです。人間の体はほぼ全て細胞で出来ているので、その1つ1つが作られる際に葉酸が使われているのです。
人間の体は約37兆個の細胞でできているとされていますので、葉酸不足で、正常ではない細胞がやや多くなっても、「あ、これは異常な細胞が多くなった!」と気がつくことはありませんし、何か症状が現れるいうことはほぼありませんよね。
体の不調は葉酸不足だけで起こるものではありませんので、「何となく元気でない」「何となく肌の調子が悪い」といったような不定愁訴(原因のわからない不調)として現れる程度です。
人間の細胞が生まれ変わることを「新陳代謝(ターンオーバー)」といい、人間の体は日々作り変えられています。
肌のターンオーバーは28日~40日程度です。消化吸収に関係する内臓の内側は、3~5日程のターンオーバーです。なので、肌は内臓に比べれば比較的遅めといえます。
内臓の新陳代謝は、不定愁訴として現れる「何となく…」に大きく関わっています。細胞分裂が正常に進み、内臓が葉酸によってできた正常な細胞で構成されるようになれば、栄養の吸収がスムーズです。
すると、手に触れる顔の肌などにも必要な栄養が十分に届きます。肌質が良くなっていることは、毎日触る本人がその変化を一番感じるでしょう。
葉酸が足りずに不完全な細胞が含まれていた皮膚が全て入れ替わる、肌のターンオーバーが1回転した後には、肌質がはっきり変わっていることを感じます。このように葉酸は内臓から肌荒れを治し、美肌をつくる栄養素として働いているのです。
心臓病などに繋がる動脈硬化を遅らせる
葉酸は、心臓病などを引き起こす「動脈硬化」を遅らせる働きをしていることが判ってきました。動脈硬化は加齢などで誰もが少しずつ進んでいくものです。
しかし、血液中の中性脂肪やコレステロールが多い場合や、煙草やストレスで活性酸素が増えて血管が傷つけられると、実年齢以上に動脈硬化が進んでしまうのです。
動脈硬化を加速させる原因の1つとして、「ホモシステイン」の増加があげられます。ホモシステインは活性酸素を作り出すアミノ酸です。
活性酸素は普段は体内に入ってきた菌などを殺す役割をしているのですが、喫煙やストレスや過度な運動、そしてホモシステインの増加でも多くつくられてしまいます。
ホモシステインを減らすには、ホモシステインを活性酸素を作らないメチオニンというアミノ酸に作り変えることです。その時に必要となるのが葉酸なのです。
このため、葉酸を十分に摂っておくことは動脈硬化の進みを遅くし、心筋梗塞などの病気を予防することに繋がるのです。
巨赤芽球系貧血を予防する
葉酸不足で代表的な病気がこの「巨赤芽球系貧血」です。人間の細胞で最も細胞分裂が活発に起きているのが骨髄です。骨髄では、血液の主成分である赤血球が作られているのですが、葉酸が不足するとここのシステムに異常が現れます。
巨赤芽球系貧血は、赤血球の素である赤芽球(せきがきゅう)が、赤血球になれないまま異常に大きくなって血液の流れに出てきてしまう病気です。
不完全な赤血球は、仕事である細胞へ酸素を運ぶことができないので、酸素不足によって息切れ、めまい、眠気などの症状が現れます。
貧血にはいくつか種類がありますが、最も多いのは鉄の摂取不足で多い鉄欠乏性貧血のため、貧血症状が見られた時に多くの人は、鉄を一生懸命摂取して対処しようとします。
しかし、この巨赤芽球系貧血の場合、鉄は満たされていることが多いので、鉄をいくら摂っても症状が改善しません。
早めに医療機関へ受診し、葉酸やビタミンB12を補充する薬を服薬するなどの適切な治療をすることで、早く症状が改善します。その後は葉酸が不足しないように生活習慣を改めていきましょう。
葉酸が不足した場合、どのような事が起こるのかについては、『必読!葉酸欠乏で妊婦や胎児に与える影響とは?』の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
肌荒れを解消するために必要な栄養
肌を作るタンパク質
肌に良いと言われるコラーゲンもタンパク質です。タンパク質不足は肌の老化を進めます。タンパク質を多く含む食品は「肉、魚、卵、豆腐、乳製品」です。平成27年国民栄養・健康調査の結果から、成人女性の1日のたんぱく質摂取量は約60gです。
日本人の食事摂取基準2015では、成人女性の1日の推奨量は50gですので、十分なタンパク質が摂れていると言えます。
しかし、ダイエットでエネルギー制限をして野菜ばかり食べたり、食費を安くしようとして糖質ばかりたべていると、タンパク質が不足してしまうことがあります。
タンパク質は体内でアミノ酸にまで分解されます。体は遺伝子情報に従って、必要な形になるようにアミノ酸が並べられるのです。
たとえば、肌に弾力を持たせるコラーゲンはグリシンというアミノ酸が1/3ほど含まれており、さらに様々なアミノ酸が少しずつ入っています。
なので、卵だけや鶏肉だけなど、同じタンパク質だけを食べ続けたりすると、どれかのアミノ酸が不足して、完全なコラーゲンなどが作られないうことが起こるのです。
必要なところに必要な材料がない肌は、欠陥住宅のようなものです。肌を支えておけなく、たるみになったり、シワになったりします。このような理由から、タンパク質はできる限り多くの食品から様々に摂るようにすると、健康な肌が作られます。
肌の調子を整えるビタミンEやビタミンC
ビタミンの不足は直ぐに肌に現れます。体はビタミンを使う時に優先順位を決めているからです。例えば、ビタミンCは抗酸化作用があります。抗酸化作用とは、体の中にたくさんできた活性酸素を除去する力です。
ビタミンCの大きな作用はもう1つ、ストレスを感じると分泌されるコルチゾールの分泌のために使われます。活性酸素もストレスも放っておくと大変なことになるので、ビタミンCはこれらの対処に優先的に使われているのです。
ビタミンCが十分にないと、ビタミンCの他の作用である、肌のコラーゲンを作る作用や、メラニン色素の働きを弱める作用などが後回しになってしまうのです。
ビタミンEもまた抗酸化作用を持ちます。ビタミンCは水に溶けるビタミンなので水に溶けている活性酸素を除去する力が強いのに対し、ビタミンEは脂に溶ける性質があります。なので、細胞の膜に攻撃してくる活性酸素を除去する作用に長けているのです。
細胞の膜がビタミンEによって守られると、細胞は弾力を維持して細胞の寿命を伸ばせます。成人女性のビタミンE摂取量は平成27年国民栄養・健康調査では1日5.3~5.8mg程度です。
日本人の食事摂取基準2015での必要量は1日6mgなので、少し足りていません。ビタミンEはアーモンドなどのナッツ類に多く、アーモンドは10粒(10g)で葉酸6.5μg、ビタミンE3mg摂ることができるのでオススメです。
肌にハリを持たせるビタミンA
ビタミンAは肌の細胞を丈夫にする作用があります。なのでビタミンAが少ないと肌は乾燥し角質が厚くなり、肌荒れの状態となるのです。
ビタミンAは肝臓で貯蔵される栄養素なので、数日摂取量が少なくても、ある程度の余裕があります。緑黄色野菜に多く含まれるβカロテンは、体の中でビタミンAに変わる栄養素です。
このβカロテンの摂取量が不足し、慢性的にビタミンAが不足している人も少なくありません。
ビタミンAそのものを多く含む食べ物は、レバーやうなぎ、卵や乳製品などがあります。しかし、妊婦はレバーからビタミンAと積極的に摂るのは胎児が奇形になるリスクが上がるので避けましょう。
そして、これらのビタミンAの多い食品は同時にコレステロール含有量も多いです。取り過ぎはコレステロール値を上げる可能性もあります。
これらのことを考えると、肌のためにビタミンAを摂るなら、緑黄色野菜からβカロテンの形で摂ることが最も適しています。
葉酸と肌荒れに効果的なメニュー
葉酸とタンパク質、そしてビタミン類を多く摂るのに優秀な料理は「お鍋」です。
- 白菜:100g
- 春菊:50g
- 長ネギ:50g
- 鶏もも肉:80g
- 豆腐:100g
- しいたけ:10g
- ゴマダレ:30g
これらの使った基本的な水炊きを食べると、以下の栄養を一度に摂取することができます。
- 葉酸:230μg
- タンパク質:25.6g
- ビタミンE:1.4mg
- ビタミンC:36mg
- ビタミンA:200μgRE
締めに雑炊を食べれば、水の中に流れ出たビタミンCがや葉酸も摂ることができるので食事に鍋を積極的に取り入れていくのはとてもオススメです。
肌荒れを防ぐためにできること
不足するビタミンやミネラルはサプリメントで補う
葉酸も上記の栄養素も、本来食事から十分摂ることができますが、食生活を大きく変えることが難しい人もいますね。
そんな時には、一時的にもサプリメントを利用するのも一つです。サプリメントで肌状態が改善したならば、栄養の重要さがよくわかると思います。
食事に含まれる栄養素は、サプリメントの含まれる栄養以外のものがたくさん入っていますので、サプリメントで補いつつ、食事を少しずつ見直して良いものにしていくのが良いでしょう。
腸内環境をよくする
腸内環境を良くすることは、肌だけではなく全身状態を良くします。人間の腸には菌が住み着いていて、悪玉菌、善玉菌、日和見菌に分かれます。
善玉菌が優位になることを「腸内環境がいい」と表現し、この状態であると便通が改善したり、栄養の消化吸収が良くなったり、体にとって良い状態になります。
しかし、ストレスや食事のバランスが悪くなると、直ぐに悪玉菌が優位になり、腸内環境が悪化します。そうなると、腹痛感じたり、便通が悪くなるなど、体にとって良くない状況になるのです。
腸内環境が悪化すると、ニキビや肌荒れなど直ぐに変化が現れる人も多いです。肌荒れを防ぐためには、腸内環境を良くする食物繊維やオリゴ糖、乳酸菌を積極的に摂り、ストレスを減らす生活を心がけることが大事です。
紫外線を防ぐ
肌荒れで最も影響力が大きいのが紫外線です。日焼け止めはその名前の通り日焼けを止めるという意味ではなく、紫外線を止めるという意味で一年中使うことが大事です。化粧下地やファンデーションなどを日焼け止め効果のあるものにすると良いですね。
肌の紫外線対策が最も大事ですが、肌荒れのためには肌の他に気をつけないといけない箇所があります。
1つは目です。目が紫外線を浴びると、脳が日光に当たっていると反応してしまい、メラニン色素が活性化されてしまいます。
すると、肌は日焼け止めで防止していてもシミやしわの原因となってしまいます。目の紫外線を予防するため一番いいのはサングラスです。
レンズが黒ければ良いと言わけではなく、紫外線透過率の低いものを選びます。メガネでも紫外線カットのものがあるので、そういったものを利用して対策しましょう。
2つめは頭皮です。顔は日焼け対策しても、頭皮は何もしない人が多いです。頭皮は一番多くの紫外線を浴びます。髪の分け目がいつも同じ人は、尚更その部分だけ多く受けることになります。
頭皮は顔の皮膚に繋がっているので、頭皮が傷んで垂れると顔の皮膚を下へ押してしまいます。するとたるみの原因となります。頭皮の紫外線対策には帽子をかぶるのが一番です。髪の毛の分け目に日焼け止めを塗ったり、日傘などで防止するのも良いでしょう。
まとめ
葉酸は肌荒れにも必要なビタミンです。さらに、動脈硬化の進みを遅くすることで心臓病などの病気を予防します。
葉酸が極端に不足すると、巨赤芽球系貧血という正常な赤血球な作られない貧血を発症することもあります。
肌荒れの原因は葉酸の不足だけではありません。葉酸の他にタンパク質やビタミンAやビタミンE、そしてビミンCも多く摂るように心がけましょう。肌は全身状態が現れる部分でもあります。
全身の栄養状態を良くするためには、栄養が消化吸収される腸の整えておくことが大切です。食物繊維や乳酸菌を多く摂り、便通を改善したり、ストレスを軽減すると腸内環境は改善します。
外部からの刺激から皮膚を守ることも大事です。紫外線からは一年中守るケアをしましょう。目や頭皮も紫外線を浴びないように工夫して下さいね。
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妊娠中に起きる「つわり」でまともに食事が摂れないことは日常茶飯事だと思っておきましょう。
そうなった時に怖いのが、ちゃんと赤ちゃんの為に栄養が摂れないこと。また出産時の体力を考えても、お母さんの為、産まれてくる子供の為に、ちゃんと栄養は摂っておきたいですよね。
私も含め、多くの出産経験者が声を揃えて言うのは、食事から摂れなければサプリから摂取するべきという事。
なぜなら、サプリだとしんどいつわりの時でも安定して栄養が摂れる点が大きなメリットです。特に葉酸に関しては、産まれてくる子供へのリスク等も考えると、「食事からで十分よ!」と安易に考えるわけにもいきません。
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葉酸サプリは継続して摂取するものなので、定期コースが多いですが、出産後も葉酸は必要な成分の事を考えると強制的に送ってくれるのはある意味助かります。
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