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葉酸は飲み物から摂れる!?葉酸が含まれている飲み物まとめ

 

妊娠中には、葉酸がとても大切な栄養素であることはよく知られています。だからこそ、葉酸を手軽に効率よく摂る方法はないものかと思っている妊婦さんはたくさんいっしゃるのではないでしょうか?

身近にある飲み物から葉酸を摂ることができれば、簡単ですよね。葉酸が豊富に含まれている飲み物の紹介と妊娠中には飲まない方が良い飲み物のことも合わせてお話していきます。

葉酸が多く含まれている飲み物

各飲み物の葉酸の量

具体的にどの飲み物に葉酸がどれだけ含まれているのかをお話しましょう。妊婦さんが必要な葉酸の量は、成人女性に必要な推奨の葉酸量240μg+負荷量240μgの合計480μgです。充足率は、その飲み物を飲むと妊婦さんが必要な葉酸の量をどの位満たすことができるかを表したものです。

※はみ出ている場合は横スクロール可能です。

 飲み物 内容量葉酸の量 充足率
 乳飲料 ミルミルS(ヤクルト) 100ml240μg 50%
 飲むヨーグルト LGG飲むヨーグルト葉酸(タカナシ) 100ml 200μg 42%
 プルーンFe1日分の鉄分のむヨーグルト 190g 120μg 25%
 牛乳 明治ミルクラブ(明治) 200ml 120μg 25%
 スッキリCa鉄(雪印) 200ml 120μg 25%
 野菜ジュース 野菜一日これ一本 超濃縮鉄分(カゴメ) 125ml 21~180μg 4~38%
 野菜一日これ一本 超濃縮高リコピン(カゴメ) 125ml 11~94μg 2.3~20%
 1日分の野菜(伊藤園) 200ml 5~90μg 1~19%
 野菜一日これ一本 (カゴメ) 200ml 10~83μg 7~21%
 充実野菜 グリーンスムージー(伊藤園) 265g 5~80μg 1~17%
 野菜一日これ一本 超濃縮カルシウム(カゴメ) 125ml 9~78μg 1.9 %
 豆乳 調製豆乳 100g 31μg 6.5%
 無調整豆乳100g 28μg5.8%
 お茶 抹茶(粉)1杯分70ml 2g 24μg 5%
 日本茶(玉露)1杯分20ml 3g 4.5μg 1%

参考:宇治市おいしいお茶の入れ方

上記の表で記した飲み物について、詳しく葉酸やその他の栄養について解説していきますね。

①ミルミルS

実はミルミルSは、葉酸を240μgも含んでいるのです。これは妊娠中に1日に摂ってほしい量の半分です。ミルミルSは2本で、200ml当たり98 kcalあります。ただし、良いと思ってたくさん飲むとカロリーオーバーになってしまう可能性がありますので、気をつけましょう。

また、ミルミルSは1本100円で、通常はヤクルトレディから買いますので、スーパーのように割引はありません。1日2本飲むと、月に6,000円程かかってしまいますね。

②飲むヨーグルト

飲むヨーグルトは色々と発売されていますが、「LGG飲むヨーグルト葉酸は200μg」、「プルーンFe1日分の鉄分のむヨーグルトは120μg」は葉酸が強化してあります。

これらを飲むとそれぞれ1日の葉酸の必要量の約42%と25%を摂ることができます。これは、茹でたブロッコリー100gやサニーレタス100gと同じくらいの葉酸の量なんです。

ただ、「LGG飲むヨーグルト葉酸は49 kcal」、「プルーンFe1日分の鉄分のむヨーグルトは131 kcal」ありますので、カロリーオーバーには気をつけましょう。

葉酸と飲むヨーグルトについては、『妊婦さんに朗報!葉酸摂取に飲むヨーグルトがおすすめできる理由』の記事で詳しく紹介しています。

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③牛乳

「明治ミルクラブ」と「スッキリCa鉄」には200mlで120μgの葉酸が含まれており、これを飲むと1日の葉酸の必要量の約25%を摂ることができます。一般的な牛乳には、同じ量で10μgの葉酸しか含まれていません。

「明治ミルクラブ」と「スッキリCa鉄」は、牛乳に比べるとエネルギーや脂質を抑えつつ、葉酸、カルシウム、鉄分を多く含んだ牛乳と言えますので、妊婦さんには嬉しい飲み物です。

「明治ミルクラブ」と「スッキリCa鉄」は、身近なスーパーでも売っていますので、手軽に飲めますね。

葉酸と牛乳については、『葉酸が摂取できる牛乳まとめ!通常の牛乳では葉酸が期待できない』の記事で更に詳しく紹介しています。

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④野菜ジュース

野菜ジュースでは葉酸を効率良く摂取することはちょっと難しいです。なぜかというと、表をよく見ると、一つの野菜ジュースに入っている葉酸の量には幅がありますよね。

ここでは、葉酸が1パックに90-180μg程入っているものなど、比較的葉酸を多く含む野菜ジュースをピックアップしましたが、少ないものは葉酸は一桁台です。

実は、野菜には野菜の採れる時期や栄養素そのものに個体差があり、ジュースの栄養成分を一定に保つことは不可能だと言われています。これが多い方の数字の通りに葉酸が含まれていると良いのですが、少ない方の数字の量だとほとんど葉酸は摂取できません。

また、食品による葉酸の利用率はとても低いことがわかってますので、これよりもはるかに少ない量しか、体内での利用はできないのです。調理することで食品に含まれている葉酸が半分に減り、体の中で代謝される時にそのまた半分になってしまいます。

結局、体内で利用される葉酸の量は、本来食品に含まれている葉酸の25%くらいの量になってしまうのです。ジュースもその製造過程で栄養素が壊わされていき、充分な葉酸の量が残りません。

野菜ジュースは、他のジュースよりは栄養は含まれていますが、野菜の代用にならないこと、食事では足りないエネルギーや微量栄養素を補給するには便利ですが、食品を補う役割であることを知っておきましょう。また、水のように飲むとカロリーオーバーになる可能性もあるので要注意です。

葉酸と野菜ジュースについては、『葉酸は野菜ジュースから 摂取が期待できない理由とは?』の記事で更に詳しく紹介しています。

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⑤豆乳

豆乳は100g(およそコップ半分)当たり葉酸は28µg、カロリーは64kcal含まれています。大豆製品には葉酸が多く含まれていますが、カロリーは果物に比べると少し高めになります。

「調製豆乳」とは、飲みやすいように味を調製したものです。「無調整豆乳」とは、基本的に大豆と水だけを使って作られたもので大豆を絞ってできた時点のそのままのものを言います。

葉酸と豆乳については、『豆乳には葉酸が多く含まれている! でも豆乳の飲み過ぎに注意!?』の記事で詳しく紹介しています。

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⑥お茶

抹茶や玉露は、他のお茶よりも葉酸を豊富に含むとされています。「抹茶の粉100gで1200μg」、「玉露100gで150μg」の葉酸を含みます。

でも、お茶を100gも1日で飲むことがありませんので、1杯分の葉酸の量に換算したものを表に載せています。

抹茶と玉露は葉酸を含みますが、カフェインも含まれますので、飲む時には注意しましょう。「抹茶は70ml当たり24mg」「玉露は20ml当たり24mg」のカフェインを含んでいます。

お茶の種類カフェインの量
抹茶 1杯分70ml23mg
玉露 1杯分20ml24mg

妊娠中の葉酸推奨量は480μg

妊婦さんが必要な葉酸の量については、「日本人の食事摂取基準(2015)」と「神経管閉鎖障害の発症リスク軽減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸摂取に係る適切な情報提供の推進について(以下「神経管閉鎖障害のリスク低減の葉酸摂取」)」という2つの基準が厚生労働省から発表されていますので、とても混乱してしまいます。

日本人の食事摂取基準(2015)」では、成人女性の基本的な栄養として、食事から240μgの葉酸を摂ることが推奨されています。この240μgは基本的な栄養素としての推奨量なので、どの時期の女性にも必要なものです。

さらに、妊婦さんは基本の240μgに、240μgの負荷量がプラスされて合計480μgが葉酸の推奨量です。出産後に授乳するようになると、その負荷量は100μgになり、合計340μgが推奨量とされています。

神経管閉鎖障害のリスク低減の葉酸摂取」においては、妊婦になって葉酸の摂取推奨量が倍増してもなかなか食品から摂ることが難しいことなどや、葉酸摂取不足による赤ちゃんの先天性神経管閉鎖障害予防のために、妊娠1ヶ月前から、食事から240μg、サプリメントから400μgの合計640μgの葉酸を摂るよう推奨しています。

この2つの基準を合わせて考えると、18−49歳女性の1日当たりの葉酸摂取推奨量を、

  • 成人女性
  • 妊娠を計画している女性
  • 妊娠初期ー妊娠3か月頃の女性
  • 妊娠中期・後期の女性
  • 出産後・授乳中の女性

というカテゴリーで、わかりやすくまとめました。

※はみ出ている場合は横スクロール可能です。

18−49歳女性における1日当たりの葉酸摂取の推奨量1日の合計量
成人女性成人女性 240μg
(基本的な栄養素として食事からの葉酸摂取推奨量※)
240μg
妊娠を計画している女性240μg(※)+400 μg(サプリメント)640μg
妊娠初期ー妊娠3か月頃の女性240μg (※)+ +400μg(サプリメント)640μg
妊娠中期・後期の女性240μg(※) +240μg(妊娠中の付加量)480μg
出産後・授乳中の女性240μg(※)+100μg(出産後の付加量)340μg

妊娠を計画している女性、または、妊娠の可能性がある女性は、神経管閉鎖障害のリスクの低減のために、付加的に400µg/日のプテロイルモノグルタミン酸(サプリメントや強化食品などから)の摂取が望まれる。

こうしてみると、たくさんの葉酸を摂る必要があることを理解して頂けたと思います。毎日効率よく、簡単に葉酸を摂りたいですよね。次に、飲み物で葉酸を摂るメリットを見てみましょう。

飲み物で葉酸を摂るメリット

簡単・調理不要で摂れる

買ってきたら、そのまま飲めるのは大きなメリットですね。また、調理がいらないので、ダイレクトに葉酸が体内に入ります。

一般的な食品では、体内での利用効率が25%程であるのに対して、サプリメントや葉酸の強化食品(今回ご紹介した飲みのもなど)では、85%と高いのが嬉しいところです。

葉酸は熱や光に弱く、水に溶ける性質のため、調理するとたくさんの葉酸が失われてしまうのです。

必要な栄養成分も一緒に飲める

今回ご紹介した飲み物には、葉酸だけでなく妊娠中に必要なビタミン類やミネラルを一緒に摂ることができるように作られているものが多くあります。

飲むだけで葉酸の他に、ビタミン類やミネラルがを摂ることができるのは嬉しいですよね。

つわりの時でも飲める

つわりの時や食欲がない時も、飲み物だと飲めるという方も多くいらっしゃいます。飲むことができれば、少しだけでも葉酸が体に入ってその効果を発揮します。

特につわりの時期は、神経管閉鎖障害のリスクを減らすために、葉酸が重要な働きをする時期です。葉酸を少しでも摂っておくと安心ですね。

旅行中でも手軽に飲める

旅行先では、外食が多くなってしまい、食事のバランスがうまく取れないことがありますよね。そんな時でも今回ご紹介した飲み物で葉酸とビタミン類やミネラルが摂れると安心です。スーパーがあれば、旅先でも大方は手に入ります。

野菜などに比べて安価に飲める

色々な食品を組み合わせて食べるのは大事なことですが、食事だけで充分な葉酸を摂ろうとすると、たくさんの食品を買う必要があり、コストがかかってしまいます。

経済面から考えても今回ご紹介した飲み物を併用することによって、コストが抑えられてかつ効率的に葉酸を摂ることができるのです。

妊娠時には飲まないほうが良い飲み物

妊娠時には摂取するものの中に気をつけたいものがあります。それは飲み物も例外ではありません。

妊娠中には飲まないほうが良いものについてその理由なども合わせて解説していきます。

赤ちゃんのために避けると良い飲み物

アルコール

アルコールはご存知の通り、妊娠中は飲まない方がいいものです。なぜならが、妊娠中にアルコールを過剰摂取した妊婦より生まれた赤ちゃんに見られる「胎児性アルコール症候群」のリスクがあるからです。

精神発達遅滞、小頭症、特有の顔貌、心疾患などを示すとされています。1杯くらいなら大丈夫と思わずに妊娠中は飲まないようにしましょう。(参考文献:医療情報科研究所編集(2009)『病気が見える』vol.10 産科(第2版)メディックメディア(P26・75))

妊娠中には良くない成分が含まれるハーブティ

英国National Health Service(国民保健サービス)では、「妊娠中は必要な場合を除いて、薬(薬用量のハーブ製品を含む)をできるだけ使用しないで下さい」とアドバイスしています。

英国医薬品・医療製品規制庁も有効性がリスクを上回らない限りは使用しない方が良いとしているのです。

多くのハーブ製品は厳密な品質検査を受けていないこと、多くの製品は妊娠中の有効性や安全性について、ほとんどあるいは全く情報がないことも知っておく必要があります。下の表は、妊娠中に良くない成分は含まれているとされるハーブの例です。(参考文献:HFネット

※はみ出ている場合は横スクロール可能です。

子宮の収縮を引き起こす・Ground ivy(カキドウシ)
・juniper(セイヨウネズ)
・parsley(パセリ)
・pennyroyal(ペニーロイヤル)
・sage(セージ)
・tansy(エゾヨモギギク)
・yarrow(セイヨウノコギリソウ)
子宮収縮・痙攣作用・fenugreek(コロハ、フェネグリーク)
・golden seal(ゴールデンシール)
・hawthorn(サンザシ)
・Jamaica dogwood(ジャマイカハナミズキ)
・motherwort(マザーワート)
・nettle(イラクサ)
・raspberry(ラズベリー)
・vervain(バーベナ)
緩下・瀉下作用
(下剤の作用)
・senna(センナ)
・frangla(フラングラ)
・cascara(カスカラ)

少量にとどめておくべき飲み物

カフェインが含まれている飲み物

この中で150ml当たりのカフェインが一番多いのは、玉露の180mgですね。レギュラーコーヒーも100−150mgと多めです。インスタントコーヒー(70mg)になると紅茶(50−80mg)とほぼ同じくらいです。

飲料カフェイン含有量の目安(150mlあたり)
緑茶(玉露)180mg
コーヒー(レギュラー)100~150mg (焙煎方法などで変わる)
コーヒー(インスタント)70mg
紅茶50~80mg (抽出時間などで変わる)
抹茶50mg
ほうじ茶・ウーロン茶・煎茶30mg
ココア30mg
番茶・玄米茶15mg
ノンカフェインコーヒー0.1~1mg (カフェイン除去率で変わる)
ルイボスティー0
麦茶0
タンポポコーヒー0
たんぽぽ茶0

妊娠中のカフェイン量

妊娠中のカフェインの量は、下記の通り機関や国によって基準は様々です。日本での取り決めは特別発表されていませんが、コーヒーや紅茶2、3杯程度なら問題ないと指導している産院がほとんどです。

1日のカフェイン量
WHOコーヒーは3~4杯まで
英国食品基準庁マグカップで2杯程度(200mgまで)
カナダ保健省コーヒーをマグカップで2杯程度(300mg)

出典:厚生労働省・食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~ 

英国食品基準庁(FSA)では、2008年に妊婦がカフェインを取り過ぎることによって、出生時に赤ちゃんが低体重となり、将来の健康リスクが高くなる可能性があるとして、妊娠中の女性に対して、1日当たりのカフェイン摂取量を、WHOよりも厳しい200mg(コーヒーをマグカップで2杯程度)に制限するよう求めています。

カナダ保健省(HC)においても、2010年に1日あたりのカフェイン摂取量として、カフェインの影響がより大きい妊婦や授乳中、あるいは妊娠を予定している女性は300mg(コーヒーをマグカップで約2杯)までとしています。(参考文献6)カフェインは少量なら摂ってもいいのですが、摂り過ぎないように注意が必要ですね。

糖分が多い飲み物

「果汁100%ジュースやスポーツドリンクなど、水を飲むよりも栄養がありそうだし、たくさん飲む方がいいのでは?」と思ってしまいがちですが、これらのものはそれほど栄養が摂れるわけではありません。

それよりも糖分が多く、カロリーが高くなる可能性がありますので、飲むとしてもコップ1杯程度にとどめておくのが良いでしょう。

まとめ

葉酸が豊富に含まれている飲み物は、比較的身近なスーパーなどで手に入りやすく、手軽に利用できるものです。買ってすぐに飲めますし、調理も不要で葉酸もそのまま摂れるというメリットがあります。

ビタミン類や鉄分、カルシウムなどの妊娠中に積極的に摂りたい栄養素も含まれていることが多いので、利用価値が高いですね。ただ、簡単に飲めてしまうため、たくさん飲むとカロリーオーバーにつながる可能性があるので、注意が必要です。

1パック程度であれば、それほど気にするカロリーにはなりません。おやつ代わりになる飲み物だと思ってもらうとちょうどいいでしょう。