【栄養士監修】葉酸不足で赤ちゃんや胎児にリスク!知っておきたい葉酸の必要性

葉酸 赤ちゃん 胎児最近では、多くの人に、妊娠中は葉酸を摂らないといけないことが知られるようになりました。

でも、葉酸を不足すると具体的にどのような影響があるのか、生まれた赤ちゃんや胎児にはどのようなリスクがあるのかを、詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか?

また、葉酸の必要量や必要とされている期間も、「妊娠初期は大事」とは聞いたことがあるけど、妊娠何週まで必要なのかは知らないという人も多いのが事実です。ここでは、葉酸が足りないことによる様々なリスクや葉酸の摂り方などをわかりやすく説明していきます。

葉酸不足で赤ちゃん・胎児に与える影響

妊娠期は、通常時に推奨されている240μgの他に240μg必要とされています。厚生労働省は妊娠時に増やす必要のある240μgを、安全を考えてサプリメントで400μg摂るように推奨しています。

つまり、妊娠初期(0~3ヶ月)には通常推奨量の240μg+妊娠期の推奨量400μgの合計640μg摂ることを目指しましょう。(参照:厚生労働省)

妊娠中に葉酸の摂取が足りないと、生まれた赤ちゃんや胎児にどのような影響があるのかを詳しくお話致します。まずは、主な葉酸の働きからお伝えしましょう。

主な葉酸の働きは主に3つ!

葉酸の働きには様々なものがありますが、特に妊娠中に関係するものには次のような働きがあります。

  • タンパク質や核酸の合成
  • 細胞の生産や再生の促進
  • 赤血球の生産の促進

葉酸にはこれらの大切な働きがあることから、妊娠中に不足すると「神経管閉鎖障害」が心配されています。赤ちゃんには、二次的なリスクとして「貧血」の可能性もあるのです。

神経管閉鎖障害

厚生労働省が2000年に発表した「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について」という資料によると、「神経管閉鎖障害」とは、下記のように説明しています。

神経管閉鎖障害とは、主に先天性の脳や脊椎の癒合不全のこと。

神経管閉鎖障害とは、脳や脊髄などの中枢神経の元になる「神経管」の一部が塞がらず、脳や脊髄が正常に機能しなくなる疾患にことを言います。

神経管閉鎖障害は、神経管のどの部分が塞がらないかで障害が違います。神経管の下部が塞がっていない「二分脊椎症」と、神経管の上部が塞がっていない「無脳症」に分けられます。

神経管閉鎖障害二分脊椎脊椎の癒合不全のこと。生まれた時に腰部の中央に腫瘤があるものが最も多い。
無脳症脳に腫瘤がある「脳瘤」や脳の発育ができない「無脳症」などがある。

神経管閉鎖障害の主な原因には以下のことが関係していると考えられています。

  1. 栄養学的因子(葉酸の摂取不足)
  2. 環境因子(糖尿病、肥満、てんかん薬の内服、妊娠前期の高熱発作、放射線被爆、ビタミンA の過剰摂取)
  3. 遺伝子因子

妊娠前から充分な葉酸のサプリメントを内服すると、発生リスクは70~80%低減できますが、残りの20~30%は遺伝子異常が関係しているとされ、すべてを予防することが困難だと考えられています。(参考文献:難病情報センター)

二分脊椎

日本の二分脊椎の発症率は、1999-2003年で出生1万対5.12であるとの報告がありますが、これを多いか少ないかと受け取るのはあなた次第です。(参考文献:e-ヘルスネット)下記に二分脊椎症の2つの種類についてまとめました。

顕在性二分脊椎・神経が外部に露出している。主な病気として「脊髄髄 膜瘤」というものがある。
・症状は、歩行障害、感覚麻痺、排尿・排便障害など。
・難病指定されており、治療法がないのが現状。手術や 生涯に渡るリハビリテーションが必要。
潜在性二分脊椎・神経は外部に露出していない。主な病気として、「脊 髄脂肪腫」がある。これは、内部での融合不全で、脂 肪腫が小さいうちは外からはわからない。
・成長するにつれて、足に痛みやしびれ、変形・感覚  障害、排尿・排便障害などの症状が出る場合がある。

無脳症

脳の形成が不完全となり、重症なため流産となるケースが多くなります。生まれたとしても、残念ながら治療法はなく数時間で死亡してしまうことが多いのです。

日本では神経管閉鎖障害のうち二分脊椎が大部分を占めます。無脳症の発症頻度については、近年の統計データがありません。

貧血

特に妊娠後期には、赤ちゃんにより多くの栄養や酸素を送る必要があるため、貧血に注意が必要な時期です。葉酸は、赤血球の生産を促す働きがあるので、貧血予防や貧血改善に役立つのです。

造血に必要な栄養素は、鉄分、葉酸、ビタミンB12、ビタミンC で、上記の理由から特に妊娠中は充分に摂る必要があります。

出産時の出血状態にもよりますが、母体が貧血状態のまま出産をすると産後はさらに貧血となって産後の身体の回復に影響します。赤ちゃんまでもが貧血になる可能性があるのです。

また、母乳は血液から作られるため、貧血だと母乳にも影響すると言われています。生まれた後、赤ちゃんは二次的に影響を受けるのですね。

>>参考:必読!葉酸欠乏で妊婦や胎児に与える影響とは?

葉酸の摂取期間

特に葉酸が重要とされている時期

神経管閉鎖障害の予防のためには、葉酸は妊娠前からの摂取が望ましいとされています。厚生労働省の発表によると、葉酸が重要だとされる時期は、以下のように記されています。

特に妊娠する前の4週間以上前から妊娠12週までの期間
→先天異常の多くは、妊娠直後から妊娠10週未満で発生しており、特に中枢神経系は7週未満で発生することが知られているから。

諸外国の研究報告からも、赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを減らすために、特に妊娠する前の4週間以上前から妊娠12週までの期間は、葉酸の摂取が重要であると言われています。

葉酸は、おなかの中の赤ちゃんの細胞分裂を促す働きや赤ちゃんの細胞の核酸の合成にも関係しています。特に赤ちゃんの細胞分裂が盛んなのは、妊娠4週−12週頃です。

この時期は、早い人だと生理が遅れて妊娠に気づく頃です。さらに、赤ちゃんの心拍が確認でき、赤ちゃんはどんどん成長しています。

妊娠4週−12週頃に葉酸が不足すると、赤ちゃんの細胞分裂がうまく行かず、上記のように「二分脊椎症」という先天性の障害が発症したり、「無脳症」になって流産しやすくなったりするなどのリスクが高まると言われています。

妊娠に気がつく頃には、すでに必要な葉酸。妊娠を意識するようになったら、葉酸を摂って身体づくりをすることが重要ですね。

葉酸が妊娠何周まで必要かについては、『葉酸は妊娠何週まで摂取が必要?実は出産後も葉酸摂取は必要!』の記事で更に詳しく解説していますので、合わせて参考にしてみてくださいね。

葉酸の種類

一概に葉酸と言っても葉酸の種類には次の2種類があります。

食品から摂るポリグルタミン酸葉酸体内での利用効率約 25%
サプリメントから摂るモノグルタミン酸葉酸体内での利用効率約 85%

神経管閉鎖症の予防のためには、サプリメントから摂るモノグルタミン酸葉酸を摂ることが重要とされています。その理由は、下記の通りです。

サプリメントからモノグルタミン酸葉酸を摂る理由
  • 食事から摂れる葉酸(ポリグルタミン酸葉酸)では、利用効率が食品や収穫の時期によって変動があること。
  • 個人によっては、食事からだけで葉酸を1日400μgを摂るのは難しいこと。
  • 米国などの報告によると、食事からの葉酸摂取に加えて1日400μgのサプリメントからの葉酸摂取が勧告されていること。
  • 疫学研究によって、1日の葉酸摂取量が360μg−500μgの範囲でサプリメントを使用した摂取方法による神経管閉鎖障害の発症リスクの低減が認められていること。
  • 疫学研究によって、葉酸摂取を増量することで大きなリスクの低減がないこと。

葉酸の摂り方

2種類の葉酸の摂取目的

前述の通り、食品中の葉酸とサプリメント中の葉酸は違うものなので、目的を理解しておくことが重要です。「すべて食事だけで摂る」とか、「すべて葉酸サプリメントだけで摂る」という方法は良くありません。

また、食事から1日240μgの葉酸を摂ることは、神経管閉鎖障害のリスク低減を目的としたものではありません。葉酸は健康に不可欠な栄養素ですので、妊娠に関係なく誰でも毎日摂取しなければならないのです。

その分が「18歳以上の男女共に1日に240μg摂ることが奨励されている」のです。妊娠中には、さらに食事での摂取が付加されるのが望ましく、食事とは別にサプリメントでも摂るように奨励されているのです。

妊娠すると本当にたくさんの葉酸を取る必要がありますよね。びっくりしている人が多いと思いますが、食事から摂取する葉酸の利用効率があまり良くないので、その分たくさん摂らないといけないようになってしまうのです。

葉酸の摂り過ぎには注意

葉酸の摂り過ぎによる疾患はありませんが、葉酸の摂取が1日当たり1000μg(=1mg)を超えると、ビタミンB12の欠乏の診断が難しくなると言われていますので、摂り過ぎには注意しましょう。特にサプリメントからの摂取の場合、容量をよく確認してください。

「疫学研究によって葉酸摂取の増加によって大きな神経管閉鎖障害のリスクの低減がない」ということもわかっていますので、葉酸を多く摂れば摂るほどいいというものではありません。

前述の通り、食事からの葉酸とサプリメントからの葉酸は役割が違いますので、そのことをしっかりと把握しておくといいですね。

葉酸の上限摂取量については、『妊婦さんの葉酸摂取上限は1日1000μgまで!その内訳を解説!』の記事で詳しく解説しています。

葉酸摂取の注意事項

バランスの良い食事

妊娠可能な女性には、神経管閉鎖障害のリスクを低減させるために葉酸の摂取が重要です。

もちろん、葉酸だけでなく、その他の栄養素も含むバランスがとれた食事も必要。多くの種類の食品から栄養素が摂れるように工夫した食事が望ましいです。また、禁煙と禁酒も必要です。

葉酸の利用効率は高くない

食品からの葉酸摂取の場合、葉酸は光や熱に弱いため、調理によって約半分が失われてしまいます。さらに、葉酸は体内での利用率があまり良くないことがわかっています。

食品中の葉酸は、体内で代謝するにあたって様々な段階があるので、体内での葉酸の利用率が半分くらいに低下することがわかっています。最終的に食事から摂取した葉酸が体内で利用されるのは、当初の25%程度になるとも言われているのです。

随分と少なくなりますよね。食品から葉酸を摂る場合は、調理方法を工夫する必要があります。下記に簡単にまとめましたので、参考にしてくださいね。

葉酸を含む食品の調理方法の工夫
  • 生で食べる、またはスムージーにする
  • 加熱時間を短くする
  • 電子レンジを使用する
  • 蒸して食べる
  • 煮汁を捨てずスープで食べる

反対に、サプリメントから摂る葉酸の吸収率は85%程です。食品から摂るよりもかなり効率がいいのです。「2つの葉酸の摂取目的」の()内の図に示したように、たくさんの葉酸を摂っていても利用効率があまり良くないことがわかって頂けたと思います。

そういった理由を踏まえて、毎日効率良く葉酸を摂るためには、『妊婦さんにおすすめの葉酸サプリと葉酸が必要なコレだけの理由』でも書いている通り、食事と合わせて更にサプリメントでも摂るのがおすすめなのです。

では、サプリメントからの摂取がどういったメリットが具体的にあるのかについて、お話していきましょう!

葉酸を毎日効率よく摂取するなら葉酸サプリが良い理由

体内での利用効率が食品よりも高い

すでにお話した通り、葉酸のサプリメントの体内での利用率は、約85%です。食品からの葉酸の利用率は約25%くらいに減ることもご説明した通りです。サプリメントからの葉酸摂取は、利用効率が良いのです。

必要な栄養成分も一緒に摂れる

多くのサプリメントは、葉酸だけでなく妊娠中に必要なビタミン類やミネラルを一緒に摂ることができるように作られています。一つのサプリメントに、妊娠中に摂りたいビタミン類やミネラルが含まれているは嬉しいですね。

つわりの時でも飲めて葉酸が摂れる

つわりの時や食欲がない時も、葉酸のサプリメントを飲むことができれば、少しだけでも葉酸が体に入ってその効果を発揮してくれるのです。

特につわりの時期は、神経管閉鎖障害のリスクを減らすために、サプリメントから摂る葉酸が重要な働きをする時期です。調子が良くない時でも飲める葉酸のサプリメントは、妊娠中の強い味方ですね。

旅行中でも手軽に飲めて葉酸が摂れる

旅行先では、外食することが多く食事のバランスがうまく取れないことがあると思います。そんな時でも葉酸のサプリメントで、葉酸以外にもビタミン類やミネラルが摂れると安心です。

携帯にも邪魔にならずに持ち運べますね。また、持ってくるのを忘れた場合でも旅先で購入することが可能です。

食品に比べて安価で葉酸が摂れる

色々な食品を組み合わせて食べるのは大事なことですが、食事だけで充分な葉酸を摂ろうとすると、毎日の事なのでたくさんの食品を買わなければなりません。

当然、サプリメントよりコストがかかってしまいますよね。サプリメントを併用することによって、コストが抑えられてかつ効率的に葉酸を摂ることができます。

>>妊婦さんにおすすめの安全な葉酸サプリはこちら

まとめ

専門的な話もありましたが、葉酸の必要性や性質などがよくわかって頂けたのではないかと思います。葉酸は2種類あって、神経管閉鎖障害を予防するには、妊娠前からサプリメントから摂るモノグルタミン酸葉酸(利用効率85%)が勧められています。

でも、健康のために食品からの栄養素(ポリグルタミン酸葉酸)としての摂取も重要です。食品からの利用効率は25%ほどであまり良くありません。光や熱に弱いので、調理に工夫が必要です。

毎日効率よく葉酸を摂るなら、サプリメントがおすすめなのです。サプリメントは、葉酸以外にもビタミンやミネラルが豊富なのも嬉しいですね。毎日の体づくりのためにバランスを考えた食事とサプリメントで、少しでもリスクを減らす努力はしておきましょう。

安心・安全に摂れるおすすめの葉酸サプリ

妊娠中に起きる「つわり」でまともに食事が摂れないことは日常茶飯事だと思っておきましょう。

そうなった時に怖いのが、ちゃんと赤ちゃんの為に栄養が摂れないこと。また出産時の体力を考えても、お母さんの為、産まれてくる子供の為に、ちゃんと栄養は摂っておきたいですよね。

私も含め、多くの出産経験者が声を揃えて言うのは、食事から摂れなければサプリから摂取するべきという事。

なぜなら、サプリだとしんどいつわりの時でも安定して栄養が摂れる点が大きなメリットです。特に葉酸に関しては、産まれてくる子供へのリスク等も考えると、「食事からで十分よ!」と安易に考えるわけにもいきません。

そんな不安をなくすためにも、妊娠中には葉酸サプリを摂取するのがおすすめです。

管理栄養士の私が厳選した、葉酸サプリを紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

葉酸サプリは継続して摂取するものなので、定期コースが多いですが、出産後も葉酸は必要な成分の事を考えると強制的に送ってくれるのはある意味助かります。

今回紹介している3つのサプリは、成分もちゃんと確認して私も飲んでいたものです。

間違った選び方・商品ではなく、産まれてくる赤ちゃんのためにも、正しい商品を選んでくださいね♪

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