【栄養士監修】葉酸は妊娠何週まで摂取が必要?実は出産後も葉酸摂取は必要!

葉酸 何週まで妊娠を希望している赤ちゃん待ちの時期から、葉酸は摂取した方がいいと言われます。色んなところでオススメされている葉酸サプリメントでは、よく定期的に届けられる「定期コース」でだいぶ安く買えるものがありますよね。

その時ふと、「葉酸はいつまで多く摂らなければいけないのかな?」と疑問に思いますよね。必要ないのにたくさん買って無駄になってしまっては勿体無いです。

そんな疑問を持った女性へ、管理栄養士の私が、葉酸はどの位の期間必要かを説明していきますね。

葉酸は何週まで摂取が必要?

葉酸は妊娠3ヶ月(11週)までは必要

葉酸が必要なのは、妊娠期だけではありません。通常、成人女性は1日240μgの葉酸摂取が推奨されています。

厚生労働省発表の平成27年国民栄養・健康調査によると、通常の食事で230μg程度の葉酸が摂れているので、普段は特に不足の心配をする必要のない栄養素です。

ただ、葉酸は細胞分裂に関わる栄養素なので、妊娠期は、通常時に推奨されている240μgの他に240μg必要とされています。厚生労働省は妊娠時に増やす必要のある240μgを、安全を考えてサプリメントで400μg摂るように推奨しています。

つまり、妊娠初期(0~3ヶ月)には通常推奨量の240μg+妊娠期の推奨量400μgの合計640μg摂ることを目指しましょう。赤ちゃんは1つの受精卵から数多くの細胞分裂を繰り返し、だんだん大きくなっていきます。

その細胞分裂1回1回に葉酸が必要なのです。もちろん、妊婦さん自身の分の葉酸も必要なので、2倍の葉酸が必要になるのです。

葉酸を多く摂取する期間として、平成12年に厚生労働省は通達を出しており、この通達では妊娠前1ヶ月から妊娠3ヶ月の間は摂取するよう推奨しています。

「妊娠前から!?もう妊娠しているんだけど!」という妊婦さんもいますよね。この通達では、妊娠判明後からの葉酸摂取でも一定の効果が見られた報告があるとなっているので、妊娠判明後の今からでも葉酸摂取を始めるのが良いでしょう。

日本人の食事摂取基準2015では妊娠中はずっと必要

妊娠1ヶ月前から妊娠3ヶ月の間は葉酸摂取をすることが大事ですが、同じ厚生労働省から出されている「日本人の食事摂取基準2015」でも、妊婦の栄養摂取についての記載があります。

ここでは、妊娠中ずっと1日440μgの葉酸摂取が推奨されています。葉酸には耐用上限量(健康被害が起こる確率が0では無くなる量)が示されており、その量は1日1,000μgです。

なので、妊娠3ヶ月まではしっかり忘れずに摂り、妊娠3ヶ月以降はできるだけ摂ると考えると良いですね。

日本人の食事摂取基準2015の妊婦基準をみると、普段の食事から増えた分の栄養素で、通常の食事から摂るのが難しいのは葉酸の他に、マグネシウムや鉄です。

厚生労働省は葉酸を吸収率の良い合成葉酸(いわゆるサプリメント)からの摂取を勧めているので、葉酸の他に鉄やマグネシウムの入ったサプリメントを選ぶと安心です。

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妊婦の葉酸摂取が赤ちゃんの先天性異常を防ぐ

妊婦の葉酸摂取を厚生労働省が通達してまで推奨するのは理由があります。それは葉酸摂取不足によって、赤ちゃんの「先天性神経管閉鎖障害」が防げるからです。

妊娠初期は赤ちゃんが大事な神経の部分を作る時期です。その時期に葉酸が不足していると、細胞分裂が上手く行かずに、正常ではない神経ができていします。

赤ちゃんに起こる先天性神経管閉鎖障害は大きく分けて2つあります。

1つは「無脳症」です。無脳症となれば生まれてくることすら出来ないことが多く、妊婦のエコーで判ることから、無脳症と診断されると中絶を選ぶ夫婦も少なくありません。

もう1つは「二分脊椎」です。「二分脊椎」は少しの治療や手術で通常と変わらない生活を送れる軽いものもあります。しかし、何度も手術を繰り返したり、生涯日常生活全てに介助が必要になる重症の場合もあるのです。

これらの先天性神経管閉鎖障害は、遺伝や環境などの要因もありますが、約半数は葉酸の不足によって起こります。(参考資料:難病情報センター

この障害は決して珍しいものではなく、1万人の出産の内で5~6人、年間500~600人生まれています。葉酸の摂取でこのような障害を防ぐ可能性が少しでも高まるのなら、赤ちゃんを産む母親として、しっかり摂ろうと思いますよね。

>>参考:必読!葉酸欠乏で妊婦や胎児に与える影響とは?

葉酸の摂取が今言われている理由

葉酸の摂取不足によって起こる神経管閉鎖障害は、今になって知られた障害ではありません。

葉酸は野菜や果物に多く含まれており、野菜の摂取量が比較的少ない欧米では、前から妊婦のサプリメントからの葉酸摂取が推奨され、先天性神経管閉鎖障害の発症を減らしています。

日本は野菜の摂取量が多いことから、サプリメントからの葉酸の摂取を推奨することはありませんでした。

しかし、平成11年度の厚生科学研究において日本人の先天性神経管閉鎖障害の増加が指摘され、厚生労働省は妊婦へサプリメントからの葉酸摂取を勧める通達を出すことになったのです。

妊婦さんの葉酸摂取量である1日640μgは、通常食べる野菜や果物からの摂取でも充たすことは出来ます。しかし、現在の成人女性は1日280μg程度の野菜しか摂っていません。

妊婦さんに推奨されている葉酸量を充たすには、1日400g以上の野菜の摂取が必要です。1日だけではなく、葉酸が多く必要なのは妊娠前1ヶ月から妊娠3ヶ月の期間です。その期間毎日野菜を今までの約2倍の野菜を摂るのはなかなか困難です。

どんなに赤ちゃんの為とは言っても、毎日2倍以上の野菜を摂取するのはほとんどの妊婦が「無理!」と答えるでしょう。実際に出産を経験した私も、全然無理でした。

なので、厚生労働省は食事からの葉酸摂取とサプリメントからの葉酸摂取を同時に推奨する通知を出しているのです。

出産後も葉酸の摂取は必要

出産後にも葉酸は必要

妊娠中は葉酸が多く必要であることを述べましたが、出産後はどうでしょうか?実は、出産後にも葉酸は必要とされています。

母乳は母親の血液を原料として作られます。母乳を作るためにも、体内で通常以上の細胞分裂が行われているので、妊娠期ほどではありませんが、細胞分裂に関わる栄養素である葉酸は多く必要になるのです。

母乳の量が多い少ないでも多少の差はありますが、多目に摂っておいて問題はありません。母乳の出が悪い時、食事内容を変える方法をよく提案されることがあります。確かに、和食で薄味の食事は体に良く、母乳の出も良くなる可能性があります。

しかし、出産後は赤ちゃんのお世話で睡眠時間もなかなか取れない中、誰かが食事を用意してくれるならまだしも、お母さん自身が自分の食事に手間のかかる野菜を多く摂るのは、経験上でもかなり大変です。さらに「しっかり食べなきゃ!」のストレスは母乳の出をさらに悪くします。

そんな時は葉酸や葉酸以外もサプリメントで必要な栄養をストレスなく補うことも大事です。そして、母乳は水分です。授乳中は水分をしっかり摂らないと、母親は脱水症状になりやすいので注意が必要です。

出産後に必要な葉酸量は340μg

では、出産後の授乳婦必要な葉酸量はどの位でしょうか?日本人の食事摂取基準2015では、1日340μgの葉酸摂取が推奨されています。通常で240μg、妊娠期で640μgですから、だいたい真ん中の量です。

340μgならば、サプリメントからではなく、通常の食事からも少し無理をすれば摂取可能です。ただ、毎日を継続することを考えると、おすすめはできません。

赤ちゃんのお世話に忙しさでなかなか食事が十分に摂れない時は、妊娠期に摂っていたサプリメントを続ける方が継続することもできます。1日2~4粒タイプのサプリメントなら、半分量だけ摂るのも良いですね。

授乳期に多く必要なのは葉酸だけではありません。ビタミンA、B1、B2、B6、B12、ナイアシンなどのビタミンや、鉄、亜鉛、銅、ヨウ素、セレン、モリブデンなどのミネラルを通常の摂取量よりやや多目に摂取する必要があります。

どうせサプリメントで葉酸を摂るならば、多くのビタミンやミネラルが一緒に含まれているサプリメントを摂るのが良いですね。

葉酸摂取は母乳育児期間終了まで

葉酸摂取はいつまで続けた方がいいのでしょうか?基本的には赤ちゃんが断乳するまでと考えます。しかし、今は赤ちゃんが泣いても母乳を止める断乳ではなく、赤ちゃんが欲しがらなくなるまで与える卒乳も増えています。

大体1歳~1歳半で断乳しますが、卒乳の場合、赤ちゃんが2~3歳まで飲ませることも珍しくありません。葉酸サプリメントは妊娠期や授乳期ではなくても摂って構いませんが、いつまで摂ったらいいのかは、なかなか決めかねますよね。

赤ちゃんが離乳食から9割程の栄養を摂れるようになったくらいの時が、葉酸サプリメントの1つの止め時と言えます。多くの赤ちゃんは1歳になった時くらいになりますね。母乳も寝る前に1回程度になっているでしょう。

離乳食がなかなか進まず、母乳が大好きな赤ちゃんもいますね。しかし、1歳頃になると母乳の濃さがだいぶ薄くなっているのが、お母さんでもわかると思います。

3~4日は泣き叫んで大変かと思いますが、断乳すると一気に離乳食が進み、食事量が増える赤ちゃんも多いです。どんなに栄養を摂って、葉酸を摂っていても、月日が経てば母乳は必ず薄くなるのです。

完全ミルク育児の場合には、特に多く葉酸を摂る必要ありません。しかし、出産で母体は大きく傷ついて消耗しているので、たくさん食べて栄養をつけることは大事なことです。

栄養を補うために、母乳育児と同じように赤ちゃんが1歳くらいまで、妊娠前に摂取していた葉酸サプリメントを続けて摂取しても良いでしょう。

もともと痩せ型の人は要注意!

お母さんがやや栄養不足であっても、母乳は出続けます。新しい命を育む生き物の不思議ですね。しかし、その分母体はどんどん消耗していきます。

出産前に体重増加がある程度あっても、母乳を与え続けている内にみるみる減っていく人も少なくないです。妊娠前より体重が減ってしまう人も少なくありません。妊娠前から痩せ型である人ほど、その消耗は激しいです。

今までは自分が病気になっても何とかなってきた人も、赤ちゃんを抱えながら体調不良が起こると、「ここで私が倒れたら、もしかしてかなりマズイ…?」と、ふと気が付きます。

赤ちゃんのお世話を夫や家族にやってもらうことはあっても、メインは母親です。しかも、赤ちゃんの食事となる母乳は自分しかできません。いくらミルクがあっても、ほとんど飲ませたことがなければ、赤ちゃんは哺乳瓶を拒否するかもしれません。

この時になって、「倒れるわけにはいかない!」と強く思うのです。しっかり食べて体力をつけ、風邪などの感染症にならないように気をつけるためには、やはり葉酸を含む多くのビタミン・ミネラルをしっかり補う必要があるのです。

葉酸が多く含まれている食べ物

葉酸は野菜や果物に多く含まれている栄養素です。飛び抜けて多いというものはあまりなく、広く浅く色々な食品に入っていますが、それでも比較的多い食品もあります。

野菜では、茹でモロヘイヤ(1食50g)で34μg、茹でほうれん草(1食100g)で110μg、茹でたかぼちゃは100gで75μg含まれています。

妊娠中1日分640μgを摂るのはなかなか難しいですが、これらの野菜には多くのビタミン・ミネラルを含んでいて、さらに低エネルギーですので妊娠期や授乳期に積極的に摂りたい食べ物です。

果物にも多くの葉酸が含まれてるものがあります。イチゴ半パック(150g)で140μg、バナナ(中1本140g)で36μg、みかん(中1個100g)24μgです。

果物は生のままで食べることがほとんどなので、含まれている葉酸も調理で失うことなく摂ることができます。しかし、果物は糖分の多い食べ物ですから、葉酸摂取を充たすまでに果物を食べると、必ず糖分は取り過ぎになります。

こういった事を踏まえると、もちろん食事から積極的に摂取するのも重要ではありますが、妊婦さんや出産後しばらくは葉酸サプリメントも併用して飲んだ方が効率が良いと言えます。

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まとめ

葉酸摂取の期間は、妊娠1ヶ月前から妊娠3ヶ月の間です。この時期はサプリメントなどから葉酸1日640μgを確実に摂取するようにしましょう。

思いがけない妊娠で、妊娠前から葉酸が摂れなくても、判明してから早めに葉酸摂取をするようにして下さい。

妊娠3ヶ月以降も、480μgを意識して葉酸摂取を続けていくことが大事です。出産後の授乳期には1日340μgの葉酸を摂るようにします。赤ちゃんのお世話で忙しい時には、なかなか食事が満足に摂れないこともあります。

そんな時には、妊娠期に摂取していたサプリメントを続けて飲みましょう。授乳期は赤ちゃんの為に葉酸摂取をするというよりは、お母さんが倒れてしまわないように、葉酸を中心とした栄養をしっかり摂る必要があります。

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安心・安全に摂れるおすすめの葉酸サプリ

妊娠中に起きる「つわり」でまともに食事が摂れないことは日常茶飯事だと思っておきましょう。

そうなった時に怖いのが、ちゃんと赤ちゃんの為に栄養が摂れないこと。また出産時の体力を考えても、お母さんの為、産まれてくる子供の為に、ちゃんと栄養は摂っておきたいですよね。

私も含め、多くの出産経験者が声を揃えて言うのは、食事から摂れなければサプリから摂取するべきという事。

なぜなら、サプリだとしんどいつわりの時でも安定して栄養が摂れる点が大きなメリットです。特に葉酸に関しては、産まれてくる子供へのリスク等も考えると、「食事からで十分よ!」と安易に考えるわけにもいきません。

そんな不安をなくすためにも、妊娠中には葉酸サプリを摂取するのがおすすめです。

管理栄養士の私が厳選した、葉酸サプリを紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

葉酸サプリは継続して摂取するものなので、定期コースが多いですが、出産後も葉酸は必要な成分の事を考えると強制的に送ってくれるのはある意味助かります。

今回紹介している3つのサプリは、成分もちゃんと確認して私も飲んでいたものです。

間違った選び方・商品ではなく、産まれてくる赤ちゃんのためにも、正しい商品を選んでくださいね♪

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