【栄養士監修】葉酸の摂りすぎには要注意!葉酸の副作用を全て解説!

葉酸 副作用葉酸は、妊娠を希望している時から妊娠期にかけてしっかり摂るように言われてる栄養素です。葉酸は体の細胞分裂に関わる栄養素で、妊婦が葉酸をしっかり摂ることにより、胎児の先天性神経管閉鎖障害の発症リスクを低下させます。

このことにより、葉酸をしっかり摂る妊婦も増えていますが、葉酸を摂りすぎるのも実は問題があるのです。

葉酸はどの位までなら摂って良いのか、摂り過ぎると何か起こるのか気になる妊婦さんへ、葉酸の摂り過ぎで起こる弊害や、気をつけなければいけない葉酸の摂り方、葉酸を摂る期間などを管理栄養士の私が詳しく解説していきますね。

葉酸の摂りすぎで起こる副作用

妊婦は耐用上限量を超えた摂取で喘息リスクが上がる

妊婦が葉酸を摂りすぎることによって起こる弊害は、お腹の中の赤ちゃんが、大きくなった時に喘息を発症するリスクが高くなる可能性があるというものです。

これは、オーストラリア1998年から2005年にかけて行われた研究です。この研究では、母親が妊婦時に1日に約1000mgの葉酸を摂っていると、子供が3~4歳になった時に喘息にかかる率が1.26倍高かったというものです。

その後に行われた、妊婦と生まれてきた子供の喘息についての研究では、1日3600μg以下の葉酸を摂取していた妊婦から生まれた子供に喘息の発症率が低かったという結果です。

これらの結果から、現段階は葉酸を多く摂取することと子供の喘息は何らかの関係があると考えられるが、まだ確定的なことは言えないということが判ります。

日本では、葉酸の耐用上限量(これ以上摂ると取り過ぎの弊害が起こる可能性がある量)は1日1000μgとなっています。通常の食事からはこの耐用上限量を超えることは考えにくいですが、サプリメントなどでは超えてしまうことがあります。

例えば、2粒で400μg摂れるサプリメントなら、1日2粒でいいわけです。しかし、1日2回の合計4粒飲んでいたなど、摂取量の間違いはよくあります。さらに、飲んだかどうか忘れてしまって、重ねて飲んでしまったということもあります。

葉酸が多く含まれていると思っていなかった健康食品を多く食べていたということもあります。このような摂取についての間違いが、上限量を大きく超えてしまう原因です。

サプリメントに書かれている文字は小さいと思いますが、しっかり読んで摂取量の間違いを起こさないことが大事です。

葉酸と子供の喘息については、まだ研究件数が多くありません。葉酸をどの位摂れば子供の喘息リスクが高くなるのかはまだとはっきりと言えないところもありますが、葉酸は摂れば摂るだけ良いんだと思い込まずに、摂り過ぎのリスクもあると覚えておきましょう。

>>参考:妊婦さんの葉酸摂取上限は1日1000μgまで!その内訳を解説!

葉酸過敏症を起こす可能性が高まる

葉酸はビタミンの一種で、水に溶けやすい「水溶性ビタミン」に分類されます。基本的に水溶性ビタミンは過剰に摂ると、すぐに尿と共に体から出ていってしまうので、過剰症がありません。

しかし、葉酸は過剰摂取で体に影響が出るビタミンです。葉酸を摂り過ぎると、「葉酸過敏症」になります。症状は、めまい、発熱、かゆみなどです。

数日過剰摂取してもすぐに症状は出ませんが、サプリメントなどは過剰摂取に気が付かずに長く摂取し続けてしまうこともあるので、注意が必要です。

葉酸の摂取不足で巨赤芽球性貧血になることはよく知られています。巨赤芽球性貧血はビタミンB12の不足でも起こります。しかし、体に葉酸が過剰にある場合だと、ビタミンB12が不足していても、ビタミンB12の不足を葉酸がマスクして隠してしまうのです。

そうなると、巨赤芽球性貧血だと気付かれず、ビタミンB12欠乏に気がつくことが遅れてしまうのも問題です。葉酸は美肌に効果のある栄養素として知られており、葉酸を積極的に摂っている女性もいますが、妊婦でなくても過剰症には注意が必要です。

妊婦さんの葉酸欠乏については、『必読!葉酸欠乏で妊婦や胎児に与える影響とは?』の記事でも詳しく解説していますので、合わせて参考にしてみてくださいね。

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妊娠前~産後までの適切な葉酸摂取量

妊娠希望時は1日640μgの葉酸摂取が推奨されている

厚生労働省は、妊娠を希望する女性は、通常摂取量の240μgに追加して、妊娠1ヶ月前より葉酸をサプリメントから1日400μg摂るように勧めています。

妊娠1ヶ月前といっても、妊娠したい時に誰もが妊娠するわけではありませんので、妊娠を希望して行動している時は、常に1日400μgの葉酸をサプリメントから摂るようにしましょう。

間違いやすいのが、葉酸は妊娠を希望している女性に摂るように勧められていても、妊娠しやすくなる効果はありません。妊娠したその後のために必要になる栄養素です。

葉酸を含め多くのビタミンは、摂り溜めができません。1日640μg摂ったらしばらく摂らなくても大丈夫という訳にはいきませんので、コンスタントに葉酸を毎日摂り続けていくことが大事です。

妊娠期は1日640μgの葉酸摂取を目指す

妊娠中の葉酸推奨量は、妊娠希望時と同じ1日640μgです。特に妊娠初期の10週まではしっかり葉酸を摂る必要があります。

葉酸不足によって起こる「先天性神経管閉鎖障害」は、妊娠初期に多く起こっています。妊娠に気が付かない時期からも葉酸を摂り続けるようにしましょう。妊娠に気がついてから葉酸を摂り始めても一定の効果がありますので、気がついた時点から葉酸を摂り始めましょう。

妊娠初期の10週以降においては葉酸の積極的摂取は勧められていませんが、同じ厚生労働省から出されている日本人の食事摂取基準2015では、通常摂取量の240μgに追加して240μgの葉酸摂取が勧めれています。

葉酸の耐用上限量が1000μgなので、妊娠中ずっとサプリメントから400μg摂っていても問題ありません。

授乳期は1日340μg

授乳期間中にも葉酸必要量は、日本人の食事摂取基準2015に必要な量が示されています。

母乳は血液から作られるので、血液をたくさん作るために細胞分裂が盛んに行われます。葉酸は細胞分裂に必要な栄養素ですから、授乳期も必要になるのです。

授乳期の葉酸推奨量は、1日340μgです。母乳ではなくミルク育児の場合は、多く摂る必要はありませんので、通常の成人女性必要量を摂って下さい。

通常の成人女性は240μg

通常、成人女性は1日240μgの葉酸摂取が推奨されています。葉酸は野菜や果物に多く含まれるので、野菜類などを気をつけて摂っていれば不足することはあまりありません。

しかし、食の多様化により、摂っている人と摂っていない人との差が激しくなっています。

野菜不足は葉酸の不足だけではありません。野菜に含まれる様々なビタミンや食物繊維などの不足で、肌荒れや便秘などの症状が現れます。高価な化粧品で肌をケアする前に、野菜の摂取量を増やすようにすると良いですね。

葉酸は食事からでは効率よく吸収できない

葉酸はこわれてしまいやすい栄養素

葉酸はとても壊れやすい栄養素です。新鮮な野菜には多いのですが、時間と共に失われていきます。葉酸含有量の多い野菜を買い溜めして食べようとしても、最後には少なくなってしまうのです。

さらに、葉酸は熱に弱い栄養素です。多くの野菜は調理して食べることが多く、ほぼ加熱の工程があります。その時に失われる量は約半分です。

生で野菜を食べるとなると、今度は量があまり食べられません。調理工程でもう1つ、葉酸は水に流れてしまいやすい性質もあります。茹で汁に流れてしまうので、茹で上がった野菜からは葉酸が抜けているのです。

野菜から葉酸を摂ろうとする場合は、味噌汁などの汁物で摂るのが適しています。野菜の加熱時間は短くして葉酸が壊れるのをなるべく防ぎ、水に流れ出てしまった葉酸は汁として飲むことができるのでおすすめです。

食品に含まれる葉酸は吸収されにくい

葉酸には2つの形があります。食事などに含まれる「プテロイルポリグルタミン酸型(食事性葉酸)」と、サプリメントに含まれる「モノグルタミン酸型葉酸(合成葉酸)」です。

厚生労働省では、合成葉酸から400μgの葉酸を摂るように推奨しています。これは、食事性葉酸は体内で吸収されにくい葉酸なので、確実に摂取しやすい栄養補助食品(サプリメント)から摂取しましょうということです。

食事から摂取する葉酸は含有量の50%ほどしか吸収されません。対して合成葉酸は含有量の85%が吸収されます。

葉酸含有量が100μgの野菜があったなら、調理過程で熱で壊されたり水に流れたりで50%減って50μgになり、食べても吸収されるのはそのまた50%の25μgだけということになります。

このことから厚生労働省は、合成葉酸を1日400μg摂るように推奨しているのです。

では、自然の食品から葉酸を摂る必要はないのかというと、そのようなことはありません。妊娠期に必要なのは葉酸だけではありません。

そして、自然の食品にはサプリメントとは違う働きもあるので、バランスの良い食事を摂りつつ、食事がストレスにならないようにサプリメントを併用するのが良い使い方です。

葉酸について、厚生労働省がどのように推奨しているかを、わかりやすく『葉酸摂取を厚生労働省が推奨!なぜ必要なのかをかわかりやすく解説!』の記事で解説していますので、葉酸についてまだあまり知らない方はぜひ参考にしてみてください。

葉酸 厚生労働省
厚生労働省がサプリメントから特定の栄養素を摂取するよう勧めることは、あまり例がありません。しかし、妊婦において葉酸摂取をサプリメントから勧めるに...

葉酸サプリの選び方

葉酸サプリメントは、さまざまなメーカーから販売されており、値段もピンキリです。どのようなサプリメントを選べば良いのか、ポイントを説明します。

1日分が複数粒のサプリメント

妊娠初期で忘れてはいけないのが「つわり」です。まともに食事が摂れなくなるほど、つわりは吐き気などの症状に悩まされる人が多いです。

そんなつわりの時期に摂る葉酸サプリですから、せっかく飲んだサプリメントを吐いてしまうことを考えなければなりません。

1日分が複数粒だと、朝に飲んで午前中かなり吐いてしまっても、吐いた分だけ追加で飲めば良いのです。

もし1日1粒のサプリメントの場合、サプリメントを吐き出してしまったかどうか判らないと、追加で飲んだほうが良いのか、過剰摂取になってしまうのか、判らなくなってしまいます。

さらに、授乳期に入っても複数粒のサプリメントなら、摂取量を減らして長く続けることが出来ます。授乳期は赤ちゃんのお世話に忙しく、自分の食事が疎かになりがちです。そんな時のために長く続けられるサプリメントを選びましょう。

粒が小さく味が無味無臭のサプリメント

薬に比べて、サプリメントは概して大きい粒であることが多いです。アメリカなどの海外サプリメントになると、粒の大きさはアーモンドの大きさ位あることもあります。

つわりがある場合、サプリメントを飲み込むのも一苦労です。そんな時に粒の小さいサプリメントだととても助かります。

天然葉酸の謳ってるサプリメントには、粒が大きめで独特の臭いがあるサプリメントもあります。つわり時期は臭いにとても敏感です。天然にこだわるのも良いのですが、飲めなければ意味がありません。無味無臭の葉酸を選ぶようにしましょう。

また、噛んで食べるタイプやお菓子タイプの葉酸サプリメントは、もの凄く美味しいというわけでもなく、毎日食べ続けていると飽きてしまいます。やはり飲むタイプの錠剤サプリメントが一番のおすすめです。

他の栄養成分も入っている総合サプリメント

葉酸だけが入っているサプリメントもありますが、妊娠初期はほとんど食事が摂れない時期です。全く食べられなく、体重が極端に減ってしまう人も多くいます。

フライドポテトやコーラなどのジャンクなものだけしか受け付けなかったという人も多いです。そんな時のことを考えると、葉酸だけではなく他の栄養成分も入っている総合サプリメントだと安心です。

ビタミンB群、マグネシウム、鉄、亜鉛などは妊娠期に必要量が増える栄養素です。さらにカルシウムは妊娠期に必要量が増えることはありませんが、普段から不足しがちな栄養素なので、カルシウムも入っているサプリメントだと良いですね。

葉酸の摂取は妊娠期だけではなく、その後の授乳期も続きます。続けやすいサプリメントを最初から選び、定期購入などにしておくと、買い忘れて飲めない日が続いてしまったということもありませんのでオススメです。

妊婦さんにおすすめの葉酸サプリを『妊婦さんにおすすめの葉酸サプリと葉酸が必要なコレだけの理由』の記事で厳選して紹介していますので、これから葉酸の摂取を考えているならぜひ参考にしてください。

まとめ

葉酸は通常の食事から取っている場合には過剰摂取になることはほぼありません。しかし、サプリメントを重ねて飲んだり、飲み間違いなどで過剰摂取になることはあります。

妊婦が1日1000μgの葉酸を摂取し続けた場合、生まれてくる赤ちゃんが喘息になる確率が上がるという研究結果があります。

妊婦に推奨されてる葉酸量を通常の食品から全て摂るのはかなりの野菜量になります。

無理ではありませんが、食品からの葉酸は吸収率も悪く、妊娠期にはつわりもあってなかなか摂りにくいです。厚生労働省はサプリメントからの合成葉酸から400μg摂るように通達を出しています。

サプリメントは、吐いてしまった時のために1日複数個摂取するタイプのもの、粒の大きさが小さくて無味無臭のもの、他の栄養素もバランス良く含まれているものがオススメです。

安心・安全に摂れるおすすめの葉酸サプリ

妊娠中に起きる「つわり」でまともに食事が摂れないことは日常茶飯事だと思っておきましょう。

そうなった時に怖いのが、ちゃんと赤ちゃんの為に栄養が摂れないこと。また出産時の体力を考えても、お母さんの為、産まれてくる子供の為に、ちゃんと栄養は摂っておきたいですよね。

私も含め、多くの出産経験者が声を揃えて言うのは、食事から摂れなければサプリから摂取するべきという事。

なぜなら、サプリだとしんどいつわりの時でも安定して栄養が摂れる点が大きなメリットです。特に葉酸に関しては、産まれてくる子供へのリスク等も考えると、「食事からで十分よ!」と安易に考えるわけにもいきません。

そんな不安をなくすためにも、妊娠中には葉酸サプリを摂取するのがおすすめです。

管理栄養士の私が厳選した、葉酸サプリを紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

葉酸サプリは継続して摂取するものなので、定期コースが多いですが、出産後も葉酸は必要な成分の事を考えると強制的に送ってくれるのはある意味助かります。

今回紹介している3つのサプリは、成分もちゃんと確認して私も飲んでいたものです。

間違った選び方・商品ではなく、産まれてくる赤ちゃんのためにも、正しい商品を選んでくださいね♪

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