【栄養士監修】葉酸は妊娠前から摂取しておこう!その理由を徹底解説!

葉酸 妊娠前「妊娠すると葉酸の必要量は多くなる」と知っている人もいるかもしれません。しかし、妊娠した瞬間が分かる人は極まれです。多くの人は、生理が来ないことや、つわりのような症状を感じて「もしかして…」と思い始めますよね。

葉酸は受精卵ができた瞬間から必要になる栄養素ですから、妊娠前から葉酸を体に満たしておくことが大事になります。

葉酸を妊娠前から摂ることについて、「どうして?いつから?」などと疑問に思っている女性へ、葉酸が妊娠前から摂取しておいた方が良い理由について詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

葉酸は妊娠前から摂取しておくべき

赤ちゃんへの影響は妊娠直後から妊娠10週前までが多い

妊娠を希望する人は、排卵検査薬か妊娠検査薬などをドラックストアで購入することも多いですよね。

その時に、お店で葉酸の摂取を促すPOPなどを見かけるかもしれません。厚生労働省は、妊娠前から葉酸摂取を推奨する通知を出しています。

妊娠前から葉酸が必要といわれると、葉酸不足だから妊娠できないのでないかと思ってしまいますよね。しかし、葉酸は妊娠するために必要だから摂取が推奨されているわけではありません。

葉酸はビタミンの1つで、野菜や果物に多く含まれています。葉酸の一番大きい役割は、細胞分裂に関わることです。

いわゆる「普通の食事」をしている場合には、推奨量である1日240μgを摂ることができ、葉酸不足になることはほぼありません。

しかし、外食が多かったり、コンビニ弁当や惣菜などを買ってきて食べる習慣がある場合には、野菜の摂取不足から葉酸不足になってしまいがちです。更に、葉酸は摂り溜めが出来ないので、毎日少しずつ摂る必要があります。

もちろん妊娠すると赤ちゃんの分の葉酸も必要になり、葉酸の摂取推奨量は640μgです。

赤ちゃんは妊婦よりも細胞分裂が激しく起こっています。この時に葉酸が不足すると、『葉酸不足で赤ちゃんや胎児にリスク!知っておきたい葉酸の必要性』でも解説している通り、赤ちゃんに障害が起きてしまう可能性が高くなるのです。

その障害が出る一番多い時期が妊娠直後から妊娠10週までの間です。特に妊娠7週までの間は、その障害の中でも重い障害になりやすい時期なのです。

妊娠1ヶ月前からなのは安全を見込んでいるから

妊娠直後から葉酸摂取が必要であれば、妊娠した日から摂ればいいということですが、妊娠した日が正確にわかる妊婦さんはほとんどいません。ならば、妊娠前の1ヶ月前から赤ちゃんに必要になる分の葉酸まで摂っておけば安心です。

1ヶ月前とは言っても、妊娠は行為があれば必ずするものではありませんので、妊娠を希望している間はずっと摂り続けておくことになります。

葉酸の多い食べ物は、葉酸の他にも妊娠に必要な体をつくる栄養素がたくさん入っています。アスパラガスやブロッコリーなどはβカロテンを多く含んでいますし、牡蠣には亜鉛などのミネラル類も多いです。

大豆は良質のタンパク質になります。なので、葉酸を多く摂るということは、妊娠しやすい体を作ることにも繋がります。

妊娠希望時に必要な葉酸を、全て自然の食品から摂る事も可能ですが、必要量が2倍になるということは、野菜や果物の摂取量を今の2倍食べるなければいけないことになります。

1日なら大量に食べることは出来ても、毎日となればなかなか難しいです。こういった理由も踏まえて、葉酸を毎日しっかり摂取する方法として、葉酸の多い食品を摂りつつ、サプリメントで不足を補うのが良い方法なのです。

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妊娠判明後から摂っても一定の効果はある

厚生労働省からの通達によれば、妊娠判明後から葉酸を摂り始めても一定の効果があるとされています。

妊娠判明してから「葉酸なんて摂っていなかった!」となっても必要以上に心配することはありません。気がついた時から葉酸を摂り始めて下さい。

葉酸はとても繊細な栄養素です。たくさん含まれている野菜も、鮮度が落ちてくると葉酸はどんどん減ってしまいます。さらに、葉酸は熱にも弱く、炒めたりするだけでも葉酸は壊れてしまいます。

水で洗ったり茹でたりすると葉酸は水に流れていく性質もあるのです。野菜や果物に含まれている葉酸をできるだけ多く摂るには、生で食べられる果物から摂るか、野菜は新鮮なものを短時間で調理すると良いでしょう。

妊娠判明直後は、妊婦さんはお腹の赤ちゃんのためにたくさんの野菜や果物を摂って、自然なものから葉酸を摂ろうと頑張ることがありますね。

そのまま頑張ることができればいいのですが、多くの妊婦には妊娠初期につわりの症状があります。このつわりによって、食事がほとんど食べられなくなることも私の経験上少なくありません。

そうなると、一定のものだけしか食べられなくなったり、食べても吐いてしまったりと、妊婦さんの頑張ろうとする気持ちだけでは葉酸の摂取がままならないことになります。

「葉酸を摂らなければ!」のストレスを溜めることはお腹の赤ちゃんにとってとても悪影響です。そんな時は、無理せずに必要な葉酸をサプリメントで摂るようにして下さい。

葉酸を摂取することで得られる事

赤ちゃんの先天性神経管閉鎖障害を防ぐ

妊娠直後から心身初期に葉酸が不足していると、赤ちゃんの「先天性神経管閉鎖障害」は起こる可能性があります。

先天性神経管閉鎖障害は大きく分けて2つあります。

1つは「無脳症」という、脳が育たなくなる障害です。無脳症の場合は、生まれてくることが出来ないことも多く、生まれても数時間しか生きることができません。エコーで判るので、中絶を選ぶ人がほとんどです。

もう1つは「二分脊椎」という障害です。手術で治る軽い程度障害から、生涯生きるために介助が必要になる重い障害となることがあります。

妊娠初期は、赤ちゃんの神経管が作られる時期です。この時期に細胞分裂に関わる栄養素である葉酸が足りないと、細胞分裂がうまくいかず、不完全な神経管が出来てしまうためにおこる障害です。

日本における先天性神経管閉鎖障害は1万人に対して6人ほどです。この数字が多いか少ないかは別として、実際に産まれた赤ちゃんが先天性神経閉鎖障害になっているのは事実です。

この障害の半数は葉酸の摂取不足が原因と考えられますが、半数は遺伝や環境などが要因となっていると考えられています。

葉酸と先天性神経管閉鎖障害は最近になって知られたものではなく、野菜の摂取量が少ない欧米では、日本より前に問題となっていました。その対策にサプリメントからの葉酸摂取を推奨し、一定の効果を上げています。

日本では欧米より野菜の摂取量が多いことと、先天性神経管閉鎖障害の増加が見られなかったので、サプリメントでの摂取を推奨するまでではありませんでした。

しかし、平成11年の厚生労働科学研究において、先天性神経管閉鎖障害が増加しているという報告があり、厚生労働省は、妊娠を希望する女性や妊婦へ葉酸の摂取を推奨する通達をすることとなったのです。

>>参考:必読!葉酸欠乏で妊婦や胎児に与える影響とは?

妊婦の巨赤芽球性貧血を防止する

血液に含まれる赤血球は日々作り変えられ、赤血球を作るためにたくさんの細胞分裂が繰り返されています。

葉酸が足りないと細胞分裂が不完全になり、赤血球になる前の赤芽球というものが大きくなってしまいます。これが「巨赤芽球性貧血」です。

妊婦は葉酸をお腹の赤ちゃんに多く使われてしまうので、自身で使う葉酸が足りなくなることがあり、巨赤芽球性貧血になりやすくなります。

巨赤芽球性貧血自体があまり知られていない貧血の種類でもあり、症状は動悸や息切れや顔面蒼白など、貧血で最も多い鉄欠乏性貧血と同じような症状です。

これらは、つわりの症状と似ていたり、このような体調変化を「妊娠のせいかな?」と感じて、巨赤芽球性貧血だと自分自身では気が付かないことも多いです。

妊婦健診の血液検査で診断されますので、巨赤芽球性貧血と診断された時は、医師の指示に従って葉酸の薬などを服用する治療を受けて下さい。

妊婦によくあるうつ症状を軽くする

葉酸の摂取不足で、うつ症状が現れることがあります。女性はお腹の赤ちゃんを守るために、妊娠すると怒りっぽくなったり、気分の起伏が激しくなる人も少なくありません。

多くは妊娠すると増えるホルモンなどの影響なのですが、葉酸の摂取不足によるうつ症状であることも考えられます。

葉酸をサプリメントに頼ることなく自然からの食品で摂ろうと真剣になりすぎてストレスを溜めると、うつ症状が加速するだけではなく、ストレスで腸の動きが鈍くなって葉酸の吸収も悪くなりますので、悪循環です。

「自分はそんなこと気にしないから大丈夫!」と思っていても、妊娠すると様々なことが気にかかり、「赤ちゃんのために…」「赤ちゃんが育つなら、自分はどんなになっても…」と追い詰められてしまう事があります。

夫や周りの人が「気にすることないよ、大丈夫!」といつも通りにおおらかに言われただけで、「甘すぎる!私の気持ちを判ってくれない!」思うようになってしまった人も多いのです。

そんな時のために、妊娠前から「これなら大丈夫!」という自分が納得する葉酸のサプリメントを見つけておくと、このような不測の事態にも安心して飲み続けることができます。

妊活の場合は男性も摂取しよう!

精子の遺伝子形成にも影響する葉酸

妊娠しても女性は葉酸を多く摂り続けますが、男性の場合は葉酸が必要になるのは妊活中です。

葉酸は細胞分裂に関わる栄養素ですから、精子が作られる時に多く使われます。その時に葉酸が足りないと、遺伝子が不完全な精子が作られることになるのです。そのような精子は受精率も低くなります。

たとえ受精しても受精卵が育たなく、流産という結果になれば、パートナーの女性の心と体に大きな負担となるでしょう。

もちろん葉酸だけが精子に異常をもたらす栄養素ではありません。正常な精子を作るためには、タンパク質(肉、魚、卵、豆腐、乳製品)や、亜鉛(牡蠣などに多い)などの栄養素も必要になります。

ラーメンやうどんなど簡単なものばかりの昼食だったり、夕食はビールにおつまみのみで終わらせてしまうなどの食生活では、パートナーが妊娠する確率が下がってしまいます。

男性は通常葉酸の摂取量に個人差が大きい

女性の場合、妊娠すると葉酸の必要量は倍増しますが、男性は特に葉酸の必要量が増えることはありません。

男性の葉酸摂取量を平成27年度国民栄養・健康調査から見ると、必要量を満たしており、特に不足も見られません。しかし、これで安心するのはちょっと早いです。

男性の葉酸摂取においては、女性よりバラツキが大きくなっています。それは、摂っている人と摂っていない人の差が激しいということです。全体として葉酸は足りていることになっていますが、個人1人1人が足りているとは限りません。

妊活をしている男性ならば、多くの葉酸を摂るように心がける必要があります。しかし、そんな男性は社会でも働き盛りで、なかなかバランスの良い食事を意識して摂ることが出来ないこともありますね。

そんな時は、パートナーの女性と一緒に同じサプリメントを飲んでみても良いでしょう。一緒にサプリメントを飲むという単純な行動ですが、妊活で体調を整えたりと大変なのはどうしても女性になります。

一緒にサプリメントを飲んでくれているだけで、女性は「一人で妊活を頑張っているじゃない!」と心強く思うものです。

パートナーの女性と一緒に男性も同じサプリメントを摂るなら、葉酸だけが入っているサプリメントではなく、亜鉛やビタミンB群などの栄養素が一緒に入っているサプリメントがいいでしょう。

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まとめ

葉酸は細胞分裂に関わる栄養素で、厚生労働省は妊娠前から通常の2倍の葉酸を摂取するよう推奨しています。

葉酸は妊娠する確率を上げる栄養素ではありませんが、赤ちゃんに障害が出ないようにするために、しっかり確実に摂る必要があります。妊活中や妊娠中は大きなストレスがかかるので、食事から葉酸を必ず摂ろうと頑張らずに、頼れる葉酸サプリメントでストレスなく摂ることも大事です。

葉酸の摂取不足では、赤ちゃんに「先天性神経管閉鎖障害」が起こる確率が高くなります。さらに、妊婦自身には巨赤芽球性貧血になりやすくなったり、うつ症状が現れることもあります。

男性は、女性のように必要量が増えることはありませんが、正常な精子を作るために葉酸は不足しなように摂りましょう。食生活の改善が難しい時は、パートナーが飲んでいる葉酸サプリメントを一緒に摂るのもおすすめです。

一緒に飲んでいる姿を見るだけで、パートナーは一緒に妊活を頑張ってくれていると心強く思いますよ。

安心・安全に摂れるおすすめの葉酸サプリ

妊娠中に起きる「つわり」でまともに食事が摂れないことは日常茶飯事だと思っておきましょう。

そうなった時に怖いのが、ちゃんと赤ちゃんの為に栄養が摂れないこと。また出産時の体力を考えても、お母さんの為、産まれてくる子供の為に、ちゃんと栄養は摂っておきたいですよね。

私も含め、多くの出産経験者が声を揃えて言うのは、食事から摂れなければサプリから摂取するべきという事。

なぜなら、サプリだとしんどいつわりの時でも安定して栄養が摂れる点が大きなメリットです。特に葉酸に関しては、産まれてくる子供へのリスク等も考えると、「食事からで十分よ!」と安易に考えるわけにもいきません。

そんな不安をなくすためにも、妊娠中には葉酸サプリを摂取するのがおすすめです。

管理栄養士の私が厳選した、葉酸サプリを紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

葉酸サプリは継続して摂取するものなので、定期コースが多いですが、出産後も葉酸は必要な成分の事を考えると強制的に送ってくれるのはある意味助かります。

今回紹介している3つのサプリは、成分もちゃんと確認して私も飲んでいたものです。

間違った選び方・商品ではなく、産まれてくる赤ちゃんのためにも、正しい商品を選んでくださいね♪

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