妊娠中には普段必要としている栄養よりもたくさんの栄養が必要となります。特に葉酸は赤ちゃんの健康な発達のため重要となる栄養素であり、不足してしまうと神経管閉鎖障害が赤ちゃんに現れることがあります。
そんな妊娠時には大切な栄養素である葉酸は緑黄色野菜に多く含まれており、その中でもほうれん草に多く含まれているのです。
今回はそんなほうれん草に含まれている栄養から食べ方まで解説していきますので、ぜひ効率よく葉酸を摂取するために参考にしてみてくださいね。
※参考文献
「応用栄養学改訂第5版」
「決定版 栄養学の基本がまるごとわかる事典 」
「食品学 Ⅱ」
ほうれん草には葉酸がたっぷり含まれている!
妊娠すると必要となる栄養素として真っ先に名前が挙がるビタミンは葉酸ではないかと思います。葉酸は赤ちゃんの神経管閉鎖障害などの重篤な神経障害を防いでくれる働きがあり、しっかりとっておきたい栄養素ですよね。
そんな葉酸ですが、緑黄色野菜が多くの葉酸を含んでいることは、とても有名です。しかし、緑黄色野菜といってもトマトや人参、ピーマン等たくさんの種類の野菜があります。
たくさんの緑黄色野菜の中でも、ほうれん草はトップクラスで葉酸の含まれている量が多いのはご存知でしょうか?
ほうれん草は人参の5倍の葉酸が含まれている!
ほうれん草には100g当たり110μgもの葉酸を含んでいます。
この量は同じ緑黄色野菜の人参が100g当たり22μgの葉酸しか含んでいないことを比較するとなんと5倍もの量の葉酸をほうれん草が含んでおり、いかに多くの葉酸が含まれているかが分かりますね。
妊婦が1日に必要な葉酸は成人女性の2倍
妊娠期は、通常時に推奨されている葉酸量240μgの他に240μg必要とされています。しかし、ほうれん草でこの量を摂取するためには毎日450g以上もの量のほうれん草を食べる必要があります。
そのため、実は食品の中でもトップクラスで葉酸の含まれる量の多いほうれん草からでも十分な量の葉酸を摂取するのはなかなか大変なのです。
葉酸以外も!ほうれん草に含まれている嬉しい栄養
ほうれん草は葉酸以外にもたくさんの栄養が含まれており、妊婦さんに心強い栄養満点な野菜でもあります。
β-カロテン
β-カロテンは体内でビタミンAに変わります。ビタミンAは、体の皮膚や粘膜などの健康を保ち、肌の調子を整えてくれるビタミンです。妊娠中には赤ちゃんの細胞の分化の働きを助け、体づくりには欠かせないビタミンとなります。
妊娠期にビタミンAをレチノールで摂ってしまうと、ビタミンAのとりすぎで起こる胎児奇形などの過剰症を起こす可能性があります。
β-カロテンで摂れば過剰な分は体外に排泄されるため、安心して食べることのできる栄養素となります。
ビタミンK
ビタミンKは血液の凝固を助ける働きを持つ栄養素です。妊娠期において重要な栄養素ではありませんが、骨の石灰化を進め、骨を丈夫にする働きがあります。多くの女性が60代を過ぎると骨粗鬆症に悩まされていることから、早いうちからカルシウムと合わせて摂り、骨を丈夫にして骨粗鬆症対策をしておきましょう。
ビタミンC
ビタミンCは美容効果が高く人気のあるビタミンですが、妊娠期においては鉄の吸収を高めてくれる働きが役に立ちます。妊婦さんは体だけではなく、赤ちゃんにも血を分け与えなくてはならないため体の血液の循環量が増えます。
しかし、体にエネルギーや酸素を運ぶ役割を持つ赤血球の量はほとんど増えないため貧血になりやすい状態です。特に妊娠後期では赤ちゃんも体の中に鉄分をためる必要があり、ほとんどの妊婦さんが貧血状態に陥るといわれています。
お腹が大きくなった状態で貧血によるふらつきやめまいなどで倒れてしまうとおなかに衝撃がかかりかなり危険ですので、貧血予防のためにしっかりと鉄を運搬してくれるビタミンCを合わせて摂り、貧血予防をしておきましょう。
またビタミンCには、インターフェロンと呼ばれる病原菌から体を守る働きを持つたんぱく質の合成を行うため、風邪予防にも役立ってくれます。
ただし、ビタミンCはストレスを感じると消費されやすくなりますので、おなかが大きくなり体に負荷がかかる妊娠後期などでは、心がけてビタミンCを摂るようにしましょう。
カリウム
カリウムは、細胞内外の浸透圧の調整を行っている栄養素です。妊娠期では、あまり重視されない栄養素ですが、むくみを改善する働きがあり、血液量が増加していることから足や顔がむくみやすくなった妊娠後期では大いに役立ってくれる栄養素です。
カリウムは細胞の中に余計な水分を取り入れていたナトリウムを尿中に排泄させ、むくみを軽減してくれます。また、体の中のナトリウムを排泄させることにより血圧を下げる働きもあり高血圧も予防してくれるうれしい栄養素です。
鉄
妊娠中には血液量が足りなくならないように体内の血液循環量が増加していますが血液量の増加に対して赤血球の量は増加しないため、妊娠期においては貧血を起こしやすい状態にあります。
特に妊娠初期に貧血を起こすと切迫早産や子宮内での発育遅延などを引き起こすなどの報告があります。赤ちゃんの鉄の蓄積は妊娠後期において起こるので、妊娠中のどの期間においても不足しないように注意して摂りたい栄養素です。
ほうれん草から葉酸を摂取するときに気をつけたい調理方法
ほうれん草が葉酸やその他の栄養がたくさん含まれており、妊婦さんの体によい食品であることはご理解いただけたと思います。
しかし、ほうれん草をどうやって料理すれば効率よく葉酸を摂れるのか分からない方もおおくいらっしゃると思います。そこでこの項目ではおすすめのほうれん草の調理法を説明していきたいと思います。
実は壊れやすく摂取しにくい栄養素の葉酸
実は葉酸は壊れやすい栄養素で熱や光、空気に弱く茹ですぎてしまうと葉酸は壊れてしまいます。
また、葉酸は水溶性ビタミンの仲間で、その名の通り水に溶けやすい性質も持ち合わせており、ゆで汁に葉酸が溶け出してしまう問題点も抱えています。
そのため、葉酸が多く含まれている食品を食べていても調理法を間違えると自分では十分な量を食べているつもりでも実は全く1日に必要な量の葉酸を摂取できていなかったなんてこともあり得るのです。
葉酸は熱に弱い!できるだけ茹でる時間を短くするべし
先ほどもお話ししましたが、葉酸は熱に弱い性質を持つため、調理する時はほうれん草をさっと茹ですぎないことが重要になります。ほうれん草を茹でる際は、沸騰したお湯に塩を入れたのちほうれん草を茎の部分を30秒ほどゆで、葉の部分を10~20秒ほど茹でるように、茹ですぎないように気を付けましょう。
ゆでた後は水道水でさっと冷やしましょう。火が通っているか心配に感じる方もいらっしゃると思いますが、ほうれん草は、火の通りやすい食材のため、茎にさえ火が通ってしまえば長々と茹でる必要が無い野菜です。
葉酸は熱に弱いので、上手く摂取するのが難しい栄養素です。効果的に摂取する方法を、『葉酸は熱に弱い!?葉酸を摂取するなら気をつけたい食べ方』の記事で詳しく紹介していますので、ぜひ合わせて読んでみてくださいね。
おすすめのほうれん草料理
茹でたほうれん草はそのまま食べてもおいしいですが、個人的におすすめの料理はほうれん草のおひたしです。
茹でたほうれん草に本だしなどの顆粒だしをお湯に溶かして醤油をほんの少しかけるだけで完成するため、忙しい朝ご飯からおかずがもう一品ほしい夜ご飯までさっと作ることができます。
また、さっとゆでて作っているので、彩りも鮮やかな緑が楽しめ、食卓を明るくしてくれます。
逆にあまりおすすめできないほうれん草料理は煮込み料理です。あまりお湯の中にゆででおくと葉酸はどんどん壊れていってしまうので、残念ながらシチューなどの煮込み料理では十分な量を賄うのは難しいです。
また、葉酸を効率的に摂るには生で食べるのが一番効率的ですが、残念ながらほうれん草はえぐみがあり生で食べるには向かない食材ですので、生食用のほうれん草を除いて生で食べるのは避けた方が無難です。
サプリメントを使って賢く葉酸を摂ろう
ほうれん草は妊娠期においてたくさんの葉酸が含まれており、貧血予防や免疫力アップもしてくれる理想的な食品ですが、1日に必要な量の葉酸を摂るには毎日450g以上の量のほうれん草を食べる必要があります。
スーパーで売られているほうれん草の1袋分の重さは約250~270g程度のため大体1日に必要な葉酸を摂取するためには1日で2袋程度のほうれん草を食べる必要があります。
無理して頑張って食べ続けることができるかもしれませんが、妊娠中ずっと1日2袋のほうれん草を食べ続けるなんてなかなかできることではありませんよね。そこでおすすめしたいのが葉酸のサプリメントを使用することです。
葉酸サプリメントは食材の弱点である旬によって栄養素の変動や調理法によっての葉酸の損失が起こらないため、確実に1日に必要な葉酸を補給することができます。そのため、つわりが重くご飯が食べられない時でも、葉酸を補給することができ、赤ちゃんの神経障害を予防することができます。
また、サプリメントは食品に含まれている吸収されにくい葉酸であるポリグルタミン酸型葉酸とは異なり、吸収されやすい葉酸のモノグルタミン酸型葉酸が配合されています。
サプリメントは安全?
厚生労働省では、赤ちゃんが神経管閉鎖障害にかかるリスクを下げるために妊娠の1か月以上前から妊娠3か月前までの間食品からの葉酸摂取に加え、サプリメントや強化食品などの栄養補助食品から1日400μgの葉酸の摂取を勧めています。
妊娠中にサプリメントを使うことに抵抗がある方もいると思います。
しかし、葉酸のサプリメントについてはこの様に国が推奨しているため、安心して使用してよいと思います。
アメリカなどでは、パンや米、パスタなどの主食に葉酸を140μg添加する義務があるくらい日本以外の国も国を挙げて栄養補助食品から葉酸の摂取を勧めています。
葉酸で起こる副作用
葉酸は、水溶性ビタミンのため、大量にとっても体に蓄積されず、尿とともに排泄されてしまいます。
そのため、葉酸を大量に食べ物から摂取しても尿から排泄されるため、特に体に影響はありません。
しかし、サプリメントの葉酸を大量に摂った場合は胃腸炎や神経障害を起こす可能性がありますので、大量摂取は絶対にやめましょう。
サプリメントの選び方
サプリメントを選ぶ際に1つだけ気を付けてもらいたいことがあります。それは葉酸の配合量が1mg(1,000μg)を超えていないことです。
たくさんの栄養素が含まれているとなんとなくより高い効果が得られるように感じることがありますが、実際にはとりすぎは副作用を引き起こす原因となります。
副作用の項目でも書きましたが、葉酸は水溶性ビタミンであり、体に蓄積されない性質からとりすぎてもさほど重大な副作用は引き起こされないといわれています。
しかし、今あなたの体にはもう一人の命があることを忘れないでください。赤ちゃんがお母さんの体を通じて大量の葉酸を摂った時に新たな重大な副作用が見つかるかもしれません。
そうならないためにも、葉酸の配合量が1mg(1,000μg)を超えていないサプリメントを選び、容量・用法を守って賢く活用しましょう。
サプリメントの保管方法
葉酸は熱や光、空気に弱く壊れやすいビタミンです。毎日飲むからといって温度の上がりやすいガス台の近くや光の当たるところにサプリメントを放置しているとどんどん葉酸が壊れてしまいます。
面倒と思うかもしれませんが、冷蔵庫などの涼しく、光の入らないところで保管するように心がけましょう。
まとめ
ほうれん草には妊娠期に役立つ栄養がたっぷり含まれていることが今回のお話でご理解いただけたと思います。
ただし、食品から十分な量の葉酸を摂取するには非常に難しく、妊婦さんたちも負担に感じることが多いと思います。そんな時は無理をせずサプリメントなどを正しく・賢く活用して、母子ともに健やかな生活をおくってくださいね。
安心・安全に摂れるおすすめの葉酸サプリ
妊娠中に起きる「つわり」でまともに食事が摂れないことは日常茶飯事だと思っておきましょう。
そうなった時に怖いのが、ちゃんと赤ちゃんの為に栄養が摂れないこと。また出産時の体力を考えても、お母さんの為、産まれてくる子供の為に、ちゃんと栄養は摂っておきたいですよね。
私も含め、多くの出産経験者が声を揃えて言うのは、食事から摂れなければサプリから摂取するべきという事。
なぜなら、サプリだとしんどいつわりの時でも安定して栄養が摂れる点が大きなメリットです。特に葉酸に関しては、産まれてくる子供へのリスク等も考えると、「食事からで十分よ!」と安易に考えるわけにもいきません。
そんな不安をなくすためにも、妊娠中には葉酸サプリを摂取するのがおすすめです。
管理栄養士の私が厳選した、葉酸サプリを紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
葉酸サプリは継続して摂取するものなので、定期コースが多いですが、出産後も葉酸は必要な成分の事を考えると強制的に送ってくれるのはある意味助かります。
今回紹介している3つのサプリは、成分もちゃんと確認して私も飲んでいたものです。
間違った選び方・商品ではなく、産まれてくる赤ちゃんのためにも、正しい商品を選んでくださいね♪
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