【栄養士監修】葉酸は納豆から多く摂れる!妊婦が納豆を食べるべき理由とは

葉酸 納豆妊娠すると必ず取らなくてはならない栄養素といえば葉酸です。葉酸は緑黄色野菜に多く含まれているイメージが強いですが、実は親しみのある納豆にも多く含まれています。

なので、野菜が苦手な方でも食品から葉酸を摂ることができるのです。では、納豆にどのくらいの葉酸が含まれているのか?そして、その他にも嬉しい納豆の栄養素や、食べ方についても詳しく紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

納豆には葉酸が多く含まれている!

納豆には100g当たり120μgの葉酸が含まれており、緑黄色野菜の中でも葉酸が多く含まれている食材として紹介されるブロッコリーと同等の量の葉酸が含まれています。

この様に納豆は葉酸が含まれている食品の中でも特に多くの葉酸が含まれている食品なのです。

1日に必要な葉酸を摂取するには納豆8パック分必要

妊婦が1日に摂取が推奨されている葉酸の量は640μgです。妊娠していない女性が1日に必要とする葉酸の量が240μgであるため、妊娠すると通常の葉酸の量の2倍以上もの量が必要となります。

単純計算ではありますが、納豆で1日に必要な葉酸を摂取するには納豆の小パックで約10パック(1パック50g)もの量が必要となります。さすがに毎日葉酸のためにこれだけの量を食べるのは現実的ではありませんよね。

しかし、納豆には葉酸以外にも嬉しい栄養が含まれているので、どんな栄養が含まれているのかについて詳しく紹介していきましょう。

納豆に含まれるうれしい栄養素

納豆には、葉酸以外にも妊娠期に役立つ栄養素がたくさん含まれています。

ビタミンK

ビタミンKは妊娠期において重要な栄養素ではありませんが、骨の石灰化を促進し、骨の質を高めてくれる働きを持つ栄養素です。

現在、60代の日本人の女性の約半分が骨粗鬆症に悩まされており、早い時期から骨の質を高め、骨粗鬆症対策を行うことは大切です。

早いうちからカルシウムと合わせて摂り、骨を丈夫にして骨粗鬆症対策をしておきましょう。また、ビタミンKは骨の石灰化以外にも血液の凝固を助ける働きも持っています。

ビタミンB₂

ビタミンB₂は発育のビタミンと呼ばれ、子供の発達には欠かせないビタミンです。体の発達をうながし、細胞の再生を行うビタミンです。また、たんぱく質・脂質・糖質をエネルギーに変換する働きも持っています。

カリウム

カリウムは、細胞内外の浸透圧の調整を行っている栄養素です。妊娠期では、あまり重視されない栄養素ですが、カリウムは細胞の中に余計な水分を取り入れていたナトリウムを尿中に排泄させ、むくみを改善する働きがあります。

血液量が増加する妊娠後期では顔や足がむくみやすくなるため、積極的に摂取してむくみを解消に役立てましょう。

また、体の中のナトリウムを排泄させることにより血圧を下げる働きもあり高血圧も予防してくれるうれしい栄養素です。

食物繊維

食物繊維は体内で消化されず、大腸まで運ばれたのちそのまま、便に交じり便量を増やすことができます。便量を増やすことで、排便促進効果が得られ便秘の改善に役立ちます。

妊娠中は赤ちゃんがお母さんの腸を圧迫してしまうため、便秘になってしまうことがよくありますが、食物繊維を食べることで便量を増やし、便通改善が期待できます。

妊娠中に納豆・大豆製品の食べ過ぎには要注意!

納豆や大豆製品には葉酸が豊富に含まれているほかにも、様々な栄養素を含んでおり、妊娠中の食欲のない状態でも食べやすいあっさりとした味わいからついつい食べ過ぎてしまうことがあります。

しかし、納豆や大豆製品の食べ過ぎはあまり妊娠中の体にはよいものではありません。ここでは納豆や大豆製品の摂りすぎがどうしてよくないのかを3つの項目に分けて説明していきたいと思います。

大豆製品は意外と低カロリーな食品ではない

大豆製品はヘルシーなイメージを持っている方が多いのではないかと思います。確かに大豆にはさっぱりとした味わいで畑の肉とも呼ばれており、野菜と同じように低カロリーなイメージを感じやすい食品ですよね。

しかし、実際には大豆油が作れるほど多くの油分を含んでおり、さほどカロリーは低くないのが現状です。例えば低カロリーな食品として人気のある豆腐でも木綿豆腐であれば100g72kcalがあります。

のど越しがよいからといって毎食1丁もの豆腐を食べられる方が時折いますが、木綿豆腐1丁(300g)にもなると約210kcalにもなり、お茶碗1杯分のご飯(140g)とさほど変わりません。

納豆はさらにカロリーが高く小パック(50g)で100kcalもあります。

この様に納豆や大豆食品は、以外にもカロリーがあるためヘルシーな食材だと勘違いして食べ過ぎるとカロリーオーバーしてしまい肥満の原因になってしまいます。

妊娠期において肥満は妊娠糖尿病を引き起こし流産などの重大な症状を引き起こすことがありますので、納豆や大豆食品を食べ過ぎて太りすぎないように注意しましょう。

栄養が偏りやすい

納豆や大豆製品には葉酸のほかにも良質なたんぱく質をはじめとしたビタミンKやビタミンB₁やカリウムなどの様々な栄養素を持ち合わせた食品ですが、納豆や大豆製品に含まれていないビタミンAやビタミンCなどの栄養素が不足してしまいます。

また、いくら妊娠期においてたんぱく質を多く食べる必要があるとしても1日に必要なたんぱく質量は一番多い時期で75g程度です。納豆には小パック(50g)で約9g程度のたんぱく質が含まれており、食べ過ぎるとたんぱく質の必要量をこえてしまいます。

たんぱく質を過剰に摂りすぎると尿中に大量のたんぱく質が含まれてしまい、尿からたんぱく質を取り除くために腎臓が酷使されてしまうので、将来の腎臓病の原因になってしまいます。

納豆や大豆製品から1日に必要な葉酸を摂るのではなく、緑黄色野菜やレバーなどその他の食品を組み合わせて1日の葉酸を摂取するように心がけましょう。

大豆イソフラボンを摂りすぎてしまう

豆腐には大豆イソフラボンと呼ばれる女性ホルモン様の働きを持ち更年期障害の改善や骨粗鬆症の予防を行ってくれる栄養成分が含まれています。しかし、摂りすぎると乳がんや子宮頸がんなどの重大な症状を引き起こすともいわれています。

そのため、この大豆イソフラボンは、厚生労働省の食品安全委員会によりサプリメントなどに配合されるアグリコン型(大豆イソフラボンの糖が分離した形)の1日の摂取量が75㎎と定められています。

また、比較的新しく発見された栄養成分のため研究が十分に行われていないため、女性と15歳未満の子供には安全性が明確では無いため摂取を推奨しないとされています。

通常の食品でも、短期間の場合では摂取量が超えても直ちに健康被害が出ないとされていますが、まだ見つかったばかりの栄養成分のため、解明が進んでおらず、正しい判断であるとは確証がないのが現状です。

妊娠期に食べ過ぎた場合、現状では赤ちゃんにどの様な影響があるかはっきり分かっていません。そのため、大豆イソフラボンを多く含む食品を食べすぎないように心がけるのが無難でしょう。

具体的には納豆は2パック(大豆イソフラボン:約71mg)、豆腐は1丁(大豆イソフラボン:約80mg)より少な目に食べる程度にして食品安全委員会の定める1日の摂取量の基準値以内の摂取にしておきましょう。

大豆製品は多く摂りすぎるとカロリーオーバーになってしまいますが、好きな女性が多い豆乳はどうでしょうか?詳しくは、『【栄養士監修】豆乳には葉酸が多く含まれている! でも豆乳の飲み過ぎに注意!?』の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

まとめ

納豆は、葉酸以外にも多くの栄養素が含まれており、妊娠中の栄養補給の食材としては優秀です。

しかし、食べすぎには栄養の偏りやカロリーの摂りすぎなどを引き起こしますので、納豆や大豆製品の食べすぎには注意して様々な食品と組み合わせて葉酸を摂るように心がけてくださいね。

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